屋根の豆知識

換気扇から雨漏りが発生する原因とは?

雨漏りは建物のさまざまな場所が原因で発生します。
屋根や外壁がイメージしやすいのですが、換気扇なども雨漏りの原因となります。
そこでここでは換気扇から雨漏りが発生する原因について紹介していきたいと思います。

換気扇の構造と雨漏りの関係性

換気扇には大きく分けると2つのタイプの製品があります。
ここではそれらの2つのタイプの換気扇の構造や特徴と雨漏りとの関係性について紹介していきます。

プロペラファンとは

普通の建物、一般の家庭でよく使用されるような換気扇として「プロペラファン」と呼ばれる製品があります。
このプロペラファンを設置する際には外壁に換気扇がはまるように穴を開けて換気口を設置していきます。
比較的扱いやすく、施工がしやすいだけでなく定期的に行うメンテナンスもやりやすいという特徴があるため戸建て住宅や飲食店などでも利用されています。
しかしこのタイプの換気扇を設置する際には外壁に穴を開けてそこに換気扇をはめ込んで設置していくというものですので、施工する際に適切に防水処理が行って設置しないと隙間から雨水などが中に侵入してしまうことで雨漏りにつながることがあります。
扱いやすく手軽に設置できる、定期的にメンテナンスもしやすいなどのメリットがあるタイプなのですが、換気扇としてもっとも重要な項目である「空気を外部に出す力」があまり強くないという特徴があります。
扱いやすいが力は弱い換気扇と言えるかもしれません。

シロッコファンとは

もう一つの換気扇タイプであるシロッコファンとは吸い込み口であるレンジフードの内側にある円筒形部分に細い縦形の羽を設置していったものです。
空気を外に送り出す力が強く、外部の風の影響も受けにくいという長所があります。
円筒形の形の中を通って空気を押し出して換気をするために、建物の外で降っている雨などの影響を受けにくいということもあって雨漏りがしにくい形状と言えるのですが、建物内部の吸気口と外側につながっている排気口との間が長くなっている形状をしているため、換気扇の周囲で雨漏りが起きた場合にはその原因を特定しにくいというデメリットもあります。
また、もしダクトの内部に水が外部から入り込んだ場合、自然とつけられている勾配によって適切に外部に排出されるようになっているのですが、技量がない職人が設置したような適切に勾配がつけられていない施工不良の換気扇だったりすると水が外部に排出されずに換気扇の内部に水分が溜まってしまうことには注意しましょう。

換気扇で雨漏りが発生する原因とは

換気扇から雨漏りが発生するにはいくつかの原因があります。
ここではそれらの原因を順に紹介していきます。

換気扇周りのコーキングが劣化している

換気口の周囲には外壁と換気口とのあいだに隙間ができないようにコーキング(シーリング)が打たれています。
このコーキングによって換気口の周囲を密閉しているのです。
しかしコーキングは普通に使用していても10年ほどで劣化してくることが多く、これが雨漏りの原因となることが多いのです。
コーキングは時間が経つことで劣化してくると乾燥して崩れる、ひび割れが起きる、剥がれるということがあります。
こうした状態になっている際に換気扇を使用すると雨水が内部に侵入しやすい状況となり、そこから浸入した雨水がダクト内に入ってくることで雨漏りの原因となるのです。
特に換気扇が南向きの壁に設置されている場合は強い日差しを受けやすく、紫外線によってコーキングが早く劣化する傾向があります。
雨の当たり方や紫外線の受け方などの条件によっては5~7年ほどで激しく劣化することもありますので定期的なメンテナンスを行うことが重要だと言えます。

外壁のひび割れ、劣化

換気扇の近くの屋根、外壁などが劣化してしまっている場合にはそれが雨漏りの原因となる場合があります。
外壁の素材によっては劣化してひび割れが発生してくる、シートが古くなって破損したり穴が開いたりしているということがあります。
特に外壁がモルタル外壁などの場合は劣化すると外壁に小さいヒビが入ってきます。
こうしたひび割れ部分から雨水が浸入してくると換気扇のダクト内に雨水が浸入して雨漏りとなっていきます。
排気口の周囲は換気扇をはめ込むために外壁をくりぬいたり、換気扇を固定するためにビスを打ち込んだりしているために外壁がひび割れしやすくなっているという理由もあります。
このように排気口の周囲は外壁がひび割れしやすい状況となっていることを覚えておきましょう。
換気扇の周囲に水が内部に侵入していかないように防水処理をしておくということも重要です。

換気扇が劣化している

基本的なことですが、換気扇自体が劣化している場合はそれが雨漏りにつながることがあります。
細かい部品が劣化している、摩耗しているという状態になることで防水性が低下してしまい、雨水が浸入しやすくなるのです。
また、換気扇が錆びている、腐食しているという場合も同様です。

換気扇の設置場所、設置の仕方が悪い

こちらも基本的なことですが、換気扇を設置する場所自体が悪いという原因もあります。
屋根や雨樋、軒などから水が流れてきやすい場所に換気扇が設置されていたり、雨が直接当たる、日差しが強く当たるといった場所に設置されていることで劣化しやすくなります。
また、内部的にも適切に設置されて配管がつながれていないと換気が行われずに汚れた空気が溜まってしまうということがあります。
換気扇の設置場所については専門家に相談して決めていくと良いでしょう。
もちろん換気扇の設置不良などの場合は雨水が換気扇に入り込んでしまうこともあります。
取り付けについても専門家が適切に行う必要があります。

外側のフードの劣化や破損

建物の外側の排気口には雨が直接当たらないようにするためにフードがついており、雨水が内部に侵入するのを防いでいます。
このフードが劣化、破損することによって排気口に直接雨水が当たってしまうことがあるのです。
特に内側にシャッターが設置されていないようなタイプの換気扇ではフードが劣化すると大きな被害が出ることとなります。
フード自体はホームセンターやネットサイトなどでも販売しているため、状態がひどい場合は自分で交換するということも可能です。

ベントキャップなどの部品が劣化している

ベントキャップとは外壁側の排気口などに取り付ける蓋のようなものです。
この蓋を閉じておくことで雨風や虫などが内部に入ることを防ぐことができます。
ベントキャップが劣化、破損しているとそこから雨風や虫が内部に侵入してしまうのです。
こちらもホームセンターなどで販売していますので、定期的に交換していくのが良いでしょう。
他にもダストフィルター、モーター、ファンブレードなどの部品についても定期的に掃除を行うことで性能を維持することができます。
メンテナンスを行うことで換気能力を維持することができるのです。
劣化した部品も新しいものに交換をしていくことで換気扇の寿命を延ばしていくこともできます。

換気扇の周囲で雨漏りが発生するとどういった被害が出るのか

換気扇付近から雨漏りが発生するとどういった被害が出るのでしょうか。
ここでは予想される被害について紹介していきます。

建物の構造体、基礎部分、土台部分への被害

換気扇の周囲や内部から雨漏りが発生してくると色々とトラブルが起きてきます。
例えば換気扇のダクト部分あたりで雨漏りが発生してしまうと、そこから被害が広がっていくことで建物の基礎部分、構造部分といったところにまで被害が広がってしまう可能性があります。
建物の柱、土台といった重要度の高い構造体と呼ばれている基礎部分にまで雨水が侵入してしまうことによって木材の部分が腐食、金属部分については錆びたり腐食したりしてしまうのです。
木材が腐食してしまうと耐久性が低下する、シロアリが発生して木材を食べてしまうといったことがあるので、建物の強度や耐久性、耐震性などの性能が低下してしまいます。
構造体と呼ばれるような基礎部分は建物の外からは直接見えないために、トラブルが起きている、被害が発生しているという時にはどうしようもないほど被害が出ているということがあります。

建物の内装部分への被害

建物の外から振り込んできた雨水が換気扇のダクト部分を通って内部に入り込むことによってクロス、壁紙、巾木などの内装部分にもさまざまな被害が出るようになります。
クロスの表面に雨染みのようなものが出てきたり、クロスが剥がれる、カビが発生する、クロスが浮いてくるといったトラブルが発生してしまうことがあります。
クロスに雨染みがでてくると建物内の美観が損なわれることとなりますし、クロスにカビが発生するとシックハウス症候群といった健康被害が出ることにもつながります。
家庭内に子どもがいる場合などはシックハウス症候群にもなりやすいので注意しましょう。
シックハウス症候群になってしまうとアレルギーや喘息の原因にもなっていきます。
クロスの下には石膏ボードがあるのですが、この部分は水分が侵入することで膨張してしまうことによって変形してしまう、クロスが浮いてしまうということがあります。

家具、家電への影響

雨漏りが発生すると家の中にある色々なものに被害が出るのですが、特に換気扇からの雨漏りの場合は換気扇の近くにある家具や家電が直接的に被害を受けます。
もし換気扇の近くに木製のタンスなどの家具があった場合には雨漏りを受けて水分を含んでしまい、腐食することやカビが発生することがあります。
また、換気扇の近くに冷蔵庫や電子レンジといったキッチンにありがちな家電についても雨漏りがあって水分がかかってしまうと機械の故障や漏電の原因となります。
もし漏電してしまうと火災の原因にもなりますので注意が必要です。

まとめ

換気扇は建物の外部と内部をつなぐ部材でもあるため、雨漏りが発生しやすい場所でもあります。
換気扇本体の劣化、コーキングの劣化、外壁の劣化などさまざまな理由で雨漏りが発生しますので、もし雨漏りが発生した場合は専門の業者に依頼して修理、交換をしてもらうようにしましょう。

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