天窓(トップライト)は雨漏りしやすい?原因と対策について
すべての建物についているわけではありませんが、屋根の部分に「天窓(トップライト)」が設置されている家があります。
この天窓は美観のため、採光のためというメリットがあるものですが、雨漏りの原因になるという場合もあります。
そこでここでは天窓から雨漏りが発生する原因とその対策方法について紹介していきたいと思います。
天窓とはどういったものか
天窓は屋根全体を指すものではなく一部分に窓枠として設置されているものです。
天窓を設置する場合には屋根材の一か所に窓枠の分を穴を開けて、その穴に窓枠をはめ込んで設置していきます。
天窓の概要について
天窓を屋根の一部分をくりぬいた穴にはめ込んで設置するのですが、その窓と屋根の境目部分にはどうしても隙間ができてしまうこととなります。
その境目部分を放置しているとそこから雨水が内部に侵入してしまうということになります。
その隙間を埋めるためにはコーキング材を打ち込んでいくこととなるのですが、コーキング材は10年程度で劣化していくために注意が必要です。
天窓自体が劣化していなくても周囲のコーキングが劣化して崩れていくことで隙間ができてしまい、そこが雨漏りの原因となってしまうのです。
その他にも天窓のガラスパッキンの部分が劣化していくということもあります。
ガラスパッキンが劣化することによってやはり雨漏りの原因となる場合があります。
天窓の発生トラブルとは
天窓は屋根に設置しているために雨漏りの原因となることもあるのですが、他にもいくつかのトラブルの原因となります。
まず天窓を設置したことで室内の温度が上がってしまうということです。
本来日差しが強い時でも断熱性が高い屋根材がその熱を防いでくれることで室内にはその熱が届かないようになっています。
しかし天窓を設置している場合は、その部分には屋根材がないので室内にダイレクトに太陽光が入り込むこととなります。
そのため夏の日差しが強い日などは天窓から強い日差しが室内に入り込むことで高温になってしまいます。
天窓に熱線カットが可能なポリカーボネートを貼ったりすることで、天窓を封鎖することなく暑さ対策をすることができます。
天窓の位置や角度によって室内が明るくなりすぎるといった場合には、天窓にすりガラスのポリカーボネートを貼ることで採光を緩和することが可能となります。
天窓の寿命とは
天窓は設置してどれくらいで寿命を迎えるのでしょうか。
天窓にも色々な種類の製品があるのですが、たいていの製品は25~30年ほどの耐用年数があります。
ただ、実際にはそれまでに雨漏りが発生することが多く、15~20年ほど経ったら雨漏りが起きてくるということもよくあります。
これはやはりガラスパッキンやコーキングなどが劣化していくことで天窓の耐用年数よりも先に雨漏りが起きてしまうということが原因です。
そう考えれば10~15年ほど経った時点でメンテナンスをしておくことが重要だと言えるでしょう。
天窓の雨漏りの原因ごとの対応方法について
天窓自体の耐用年数は25~30年ほどなのですが、それまでに雨漏りが起きてくることがあります。
実際に天窓から雨漏りが発生している場合などは設置してから20年を過ぎた建物くらいが圧倒的に多いのです。
そこでここでは天窓から雨漏りが起きる原因とその対応、メンテナンスについて述べます。
天窓の周囲のコーキングやパッキンの劣化
天窓の周囲にあるコーキングやパッキンが劣化するというのが天窓から雨漏りが発生する現象の中でも一番多い原因となるものです。
天窓の枠組みとガラスの間部分に配置されているパッキンやくりぬかれた屋根と天窓本体の間に打ち込まれたコーキングが経年劣化してしまうことによって屋根と天窓の間に隙間ができてしまうことによって、その隙間から雨水が天窓の内側へと侵入してしまうのです。
コーキングやパッキンの劣化がひどくて完全に破損してしまっているという状態でなければその部分を補修メンテナンスをすることで元の正常な状態に戻すことができます。
コーキング材は建物であちこちで使用されているもので、屋根や外壁、板金など数多くの場所で使用されているのですが、それほど耐用年数が長いものではありません。
普通に使用していてもだいたいは10年程度で劣化していきます。
天窓ではなく、普通の屋根や外壁が原因となって雨漏りが発生する場合にもコーキングの劣化が原因であることがあります。
特に天窓が設置されているのは屋根ですので雨風や紫外線の影響を常に受けることとなりますので、劣化も早くなります。
コーキングが劣化してくることによって、「コーキングの弾力がなくなる」「ボロボロと崩れてくる」「乾燥して硬くしてしまう」といった劣化の進んだ状態になっていきます。
こうしてコーキングの劣化が進んでくると、それだけ雨水も侵入してくるために早く補修するといった対応が必要となります。
コーキングの補修する方法としては「打ち直し」と「打ち増し」という2種類があります。
打ち直しという方法は古い劣化したコーキングをすべて取り除いた上で新しいコーキングを打ち込んでいく方法です。
古いコーキングを撤去してしまうので機能が大きく回復する方法であり、耐用年数も長くなりますので補修を行う際には基本的には打ち直すのが正解と言えます。
打ち増しとはまた違った方法であり、既存のコーキングを撤去することなく既存のコーキングの上から新しいコーキングを打ち込んでいく方法です。
こちらの方法は古いコーキングと新しいコーキングがうまくなじまずに融合しないことがあるため、できれば避けた方が良い補修方法です。
打ち増しでは耐用年数も比較的短くなってしまうというデメリットがあります。
パッキンが劣化している場合は新しいパッキンに交換することとなります。
ただ、パッキンが劣化して時期になってくるころでは周囲のコーキングも同様に劣化しているという時期とも言えますので、どちらも合わせて補修してしまう方が効率的です。
ガラス部分が割れている
天窓は屋根の一部分に設置されているために、何か物が当たって破損するということはあまりありません。
しかし台風の際に飛来物が当たったり、急激な気温差があるとそれが原因となってガラスにヒビが入る場合があります。
また、雹が降った場合などは天窓のガラス面が割れてしまうことがあります。
ガラスが割れてしまった場合には、その割れたガラスを新しいガラスと交換すれば解決するように思うかもしれませんが、天窓に使用されているガラスは普通に販売されているようなガラスではありません。
天窓のガラスは強度がかなり高く、交換をする際にも簡単にできるというものではありません。
そのため天窓のガラスを交換したい場合にはガラス交換用の専用ユニットを使用してガラス交換をするか、窓枠を丸ごとすべて取り外して天窓の枠組みごと交換してしまう方法となります。
防水シート(ルーフィング)やエプロン部分の劣化
天窓は屋根に設置されているために紫外線や雨風の影響を受けやすくなっています。
そのため雨が天窓を通過して建物内部に入り込まないための防水シートや防水テープなどを駆使して隙間を埋めていくこととなっています。
使用している屋根材が瓦屋根という場合には同じく侵入していく雨水を防ぐために、天窓の下側部分に「エプロン」という金属板が配置されます。
このエプロンによって天窓を伝わった雨水が内部へと入らずに瓦の上を外側に向けて流れていくこととなります。
こうした雨水が侵入するのを防いでいる部位が劣化することなく正常に機能している状態であれば雨水が建物内部に侵入していくことはありません。
これらの防水シートや防水テープといった部位が劣化してきた場合には、それだけを単純に交換することができません。
天窓の周囲の屋根材を傷つけないように一度外して防水シートや野地板といった下地を補修することとなります。
もしくは劣化が激しい場合は交換した上で一度外した屋根材を元の状態に設置していきます。
ただ、天窓の周囲に配置されている防水シートや防水テープが激しく劣化している場合やエプロンといった金属板が補修できないほど劣化している場合は、その部分だけを補修や交換するよりも天窓をまとめて交換した方が良い場合もあります。
天窓の窓枠が歪んでいる、錆びている、腐食している
ガラス部分や周囲のパッキンなど以外でも天窓の枠部分が経年劣化することで固定力が低下するということもあります。
経年劣化していくことで天窓の枠、周囲の水切り部分が浮く、歪む、腐食するなどのトラブルが起きることがあります。
こうした劣化が起きていくと、できた隙間部分から内部に水が入り込み、天窓の外側部分から漏れてきた水によって雨漏りが発生することとなります。
水が伝って室内にまで侵入していくと壁紙(クロス)に雨染みが発生します。
室内の壁紙にまで雨漏りが発生してくることによって雨染みが出来てしまい、見た目が悪くなるといった美観的な問題だけでなく、壁紙が浮いてくる、剥がれてくる、破れるなどの直接的な被害が出てくることがあります。
このように天窓のガラス面などの直接的な部分からの雨漏りと違って天窓の外側から水が伝って発生するような雨漏りの場合は、あまり目立たないために少し放置していても大丈夫と思われがちです。
少しそのままで様子を見ようとしている間に、壁紙や壁などの被害が気づかないうちに大きくなってしまうのです。
雨漏りを放置していると、天窓の枠を構成している木材や下地である防水シートや野地板まで腐食していってしまい、補修や交換を行うときは部分的なものではなく大規模な工事をすることとなります。
まとめ
天窓は採光のため、美観を整えるためなどの理由で屋根に設置されているものです。
ただ、時間が経つことで経年劣化によってコーキングやパッキンが劣化、破損してしまう場合もあり、そこから雨漏りが発生することがあります。
どういった部分がどれくらい劣化しているのかによって部分補修を行うのか、新しいものに交換するのかを選ぶと良いでしょう。
弊社では天窓修理も多数行っておりますので、点検からご相談下さい!