屋根の豆知識

太陽光パネルがついた屋根でも修理が可能?

近年環境問題、省エネなどの観点から屋根に太陽光パネルを設置する住宅が増えてきています。
太陽光パネルで発電することによって経済的負担を減らしたり、二酸化炭素の排出量を減らすことに役立てているのです。
こういった太陽光パネルは屋根に設置するのですが、では太陽光パネルが設置されている屋根の塗装や補修はどのように行うのでしょうか。
ここでは太陽光パネルと屋根の補修工事について紹介していきたいと思います。

太陽光パネルとは

住宅に太陽光パネルを設置するというのは徐々に普及してきているのは間違いありませんが、いつぐらいから普及しているのか、なぜ普及しているのかは意外と知られていないこともあります。
そこでここではまず太陽光パネルについて紹介していきます。

太陽光パネルはいつぐらいから普及し始めたのか

住宅用の太陽光パネルはどんどん一般的になってきていますが、その普及はいつぐらいから始まったのでしょうか。
日本では1993年に「系統連系技術ガイドライン」が策定されたことが大きなきっかけとなっています。
この系統連系とは「売電」と「買電」の切り替えに関してです。
太陽光パネルによって発電した余剰電力を電力会社が買い取るということが規定されたのです。
そしてこの1993年から住宅用の太陽光パネルが販売され始めました。
ただ、販売当初は太陽光パネルや蓄電装置の価格が高く、なかなか一般的には普及はしませんでした。

2000年代に入って太陽光パネルは普及し始める

販売当初は価格が高いということもあって急激には普及しませんでしたが、2000年代に入ってくると価格帯が落ち着いてきた、補助金制度が充実し始めたということもあって徐々に普及していきます。
2006年には一度補助金制度が廃止されたのですが、2009年には「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」として復活しています。
また、2011年には東日本大震災が起こったことで「原発事故」「電力不足」が深刻な問題となりました。
こうした時に自分の家で発電することができる太陽光パネルが注目されたのです。
2012年には「10kW以上の太陽光発電はすべての電力を買い取る全量買取制度」も始まったことでさらに普及は進んでいくこととなりました。

国の保証制度から地方自治体の補助金制度へ

2014年に国の補助金制度廃止、2016年に売電価格全面自由化というように国の補助金制度は廃止されていきましたが、地方自治体でそれに変わる補助金制度が設定されることが多くなっています。
太陽光パネルの価格もますます低下していき、発電した電気を自宅で消費するということで電気代を安くするというのが一般的になってきたことで新築の戸建てなどには太陽光パネルが設置されるのが当たり前のようになってきています。

太陽光パネルを設置したままで補修工事をする方法とは

もし太陽光パネルの設置を検討しているだけでまだ設置していないのであれば問題なく屋根の塗装メンテナンスや補修工事を行うことができます。
しかし太陽光パネルが設置されているとやはりスムーズに補修工事を行うことは難しくなります。

太陽光パネルを設置したまま塗装メンテナンスをすることは可能である

太陽光パネルを設置しており、それを外すことなく塗装メンテナンスをするということは一応可能です。
これは太陽光パネルが設置されている部分以外を塗装していくという形になります。
当然太陽光パネルが設置されている部分には塗装できないため、その部分だけ他と差ができてしまうこととなります。
こういった塗装メンテナンスを行う際、他と差ができてしまうのはあまり望ましいことではないため、基本的にはあまり勧められる方法ではありません。
例えば太陽光パネルが設置されている場所と離れた部分が一部だけ破損しているといった場合には問題なく行うことはできますが、設置されている場所の屋根材の塗装や補修を行う際には設置されているままではできないのです。

基本的には太陽光パネルを一度外して工事をする

屋根全体を綺麗に塗装したい、屋根の大規模な工事を行いたいという時にはやはり太陽光パネルを一度外して工事を行うこととなります。
この場合には屋根の塗装や補修工事の費用に加えて、足場の組み立て費用、太陽光パネルの脱着費用などがかかってくることとなります。
多額の費用がかかってくるものではありますが、やはり屋根全体の塗装メンテナンスを行うため、大規模な補修工事を行うためには必要なものだと言えるでしょう。

太陽光パネルを設置している時に注意しなければいけないこととは

太陽光パネルが設置されている屋根で塗装や補修工事を行う際にはいくつか注意しておかなければいけないことがあります。
ここではそれらの注意点を紹介していきます。

太陽光パネルの保証内容に注意する

屋根の補修や塗装については専門の業者に依頼するのが一般的です。
太陽光パネルを設置するのはたいてい別の業者でしょう。
こういった太陽光パネルには「システム保証(約10~15年)」と「出力保証(約10~25年)」が設定されるのが普通で、この間に何か不具合があった場合には無償で修理や交換をしてもらえるというものとなっています。
ただ、屋根の補修や塗装を行う業者が太陽光パネルを破損させてしまった場合にはパネルの保証が切れてしまう場合があります。
保証内容によっては、屋根の補修や塗装工事を行った時点で保証が切れるという場合もあります。
そのため、太陽光パネルを設置している状態で補修や塗装工事を行う際には保証内容について確認しておく必要があります。
不明な場合は太陽光パネルを設置した業者に事前に確認しておきましょう。

太陽光パネルには人は乗ってはいけない

太陽光パネルを設置している時に塗装や補修工事を行っている職人がパネルに乗ってしまい、パネルを割ってしまうというトラブルが起きています。
これは太陽光パネルが設置されていることによって作業スペースが狭くなってしまっていること、パネルがそれほど脆いものだと認識されていないこと、職人の注意不足などが理由として考えられています。
太陽光パネルは重量がかかるということを想定に作られていないため、重いものが上に乗ると割れてしまうこともありますし、太陽電池の素子にヒビが入ってしまうということがあるのです
太陽光パネルが設置されている状態の時の動きに注意して作業を行うということが重要なのです。

太陽光パネルが汚れた場合にも注意

屋根材や外壁の汚れを落とす際には高圧洗浄を行うこととなります。
そうして汚れを徹底的に落とした上で塗装を行ったりするのです。
こうした汚れ、ゴミ、鳥の糞などが太陽光パネルに付着して発電性能を低下させるということがあります。
こうした汚れなども高圧洗浄をして綺麗にしてしまいたい気持ちはわかりますが、これは行ってはいけません。
高圧洗浄で使用している水は水道水ですのでカルキが含まれています。
この水で高圧洗浄を行うと太陽光パネルの表面にカルキが付着してしまい、発電性能を低下させてしまうこととなります。
そのため、太陽光パネルの洗浄をするためには専門業者に依頼するのが一般的となっています。

太陽光パネルを設置したことで雨漏りが発生するということもある

太陽光パネルを設置する際に業者の施工ミスなどによって雨漏りが発生するということがあります。
例えば、太陽光パネルを設置する際に固定するためのビスが野地板やルーフィングなどの下地まで貫通してしまったことで雨漏りが発生したというようなケースです。
太陽光パネルを設置する業者は屋根の補修や塗装工事を行っているような業者ではないことがほとんどのため、こうしたことが起こりうるのです。

屋根材と太陽光パネルの耐用年数を把握しておくことが重要

屋根塗装や補修工事を行う際、メンテナンス計画を立てることが重要となるのですが、その場合は屋根材と太陽光パネルの耐用年数をしっかりと把握しておくことがポイントとなります。
例えば屋根材が瓦屋根なのか、スレート屋根なのか、金属屋根なのかによっても耐用年数は大きく変わってくることとなります。
また、それに関連して瓦屋根であれば漆喰、金属屋根であれば板金、スレート屋根であれば塗装の劣化やコーキング材の劣化なども合わせて考える必要があります。

太陽光パネルの法定耐用年数は「17年」となっています。
ただ、これはあくまで規定上の減価償却期間ですので、何もトラブルがなければ20年以上使用することは可能です。
そのため、新築時に太陽光パネルの設置をしたとすると、屋根の塗装メンテナンスを10年目くらいに行うのが一般的です。
その際、太陽光パネルは一度外してまた設置すれば問題ないでしょう。
ただ、その次の20年目の塗装メンテナンスを行う際には屋根材そのものの劣化や太陽光パネルの劣化がないかも確認しながらの作業をすることとなります。
そこを乗り越えたとしても30年目のメンテナンス時には太陽光パネルの撤去や交換を行う時期となってきます。
屋根材も交換など大規模な工事となってくることが多い時期だと言えるでしょう。
実際に長く使用されている太陽光パネルを見てみると、直接飛来物などが当たっていない限り割れているということはあまりありません。
常に太陽光や風に当たっていることでカビや苔が発生することはあまりありませんが、色褪せや紫外線や雨水による傷みが起きてきます。

まとめ

太陽光パネルを設置している場合、そのままでも塗装や補修工事を行うことは部分的には可能です。
ただ、全面的に塗装を行いたい、大規模な補修工事を行いたいという場合には一度太陽光パネルを外した上で作業をすることとなります。
屋根の塗装メンテナンスのタイミングや補修を行う時期と太陽光パネルの劣化の具合などを確認した上で作業をすることで効率的に利用していくことができるでしょう。

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