軽量屋根材「ROOGA」とは?特徴や費用について解説
日本では昔から瓦屋根の住宅が多くなっています。
最近では「屋根の軽量化」を求めることから重量がある瓦屋根からスレート屋根や金属屋根に変更するということも増えています。
しかし瓦屋根には特有の魅力があり、瓦屋根を使いたいという人も多くいます。
そこで人気となっているのが、軽量屋根材「ROOGA」です。
ここでは人気の「ROOGA」の特徴や費用などについて紹介していきたいと思います。
「ROOGA」が持っているメリットとは
近年選ばれることが多く、ハイブリッド瓦と呼ばれることもある「ROOGA」には多くのメリットが備わっています。
ここではそれらのメリットを順に述べていきます。
ROOGAは軽い
瓦の見た目や重厚感を好んでいる人は多くいるのですが、それでも瓦は「重い」という絶対的な弱点があるために現実的な問題として選ばないという傾向が強くなってきています。
近頃増えてきている金属屋根は陶器瓦などと比較すると重さが1/10ほどしかありません。
屋根を軽量化するということが耐震性を高めることにつながると考えられているので、どうしても建物の耐久性や地震に備えるということを考慮すると瓦屋根は選ばれなくなっているのです。
ただ、このROOGAは瓦屋根ではありますが、普通に販売されている陶器瓦と比べて半分以下の重さの製品となっています。
このメリットによって瓦屋根の外観、重厚感を残したままで屋根を軽量化することができるということが可能となっているのです。
陶器瓦よりも圧倒的に軽くなったことによって地震が起きた時に遠心力によって屋根が大きく横に揺れるということを抑えることができ、柱や壁などの構造体へのダメージも低下します。
昔は屋根を重くすることで建物を安定させるという考え方が一般的だったために土葺き工法で瓦屋根を固定するのが普通でしたが、関東大震災以降大きな地震が発生するたびに壊滅的な被害が出たことで屋根の軽量化が求められてきたという経緯があります。
耐久性に優れている
日本で広く普及しているスレート屋根は利用メリットが多いものの衝撃に弱いという弱点があります。
飛来物が屋根に当たった際などにはけっこう簡単に割れてしまう、欠けてしまうということがあるのです。
屋根材が割れてしまう、欠けてしまうというのはすぐに雨漏りにつながってしまうような欠点です。
これは陶器瓦も同様のことが言えます。
陶器瓦は丈夫で耐久性が高く、それがウリにもなっている屋根材ですが、硬いものが当たると意外と簡単に割れてしまう場合があります。
しかしROOGAはかなり硬いものが直撃したとしても割れることが少なく、衝撃実験でもかなり優秀な結果を出しています。
こうしてとにかく頑丈なだけでなく、強風などでもズレにくいという特徴もあります。
ROOGAは定められている専用の施工方法によって固定するように決められています。
屋根材を専用の釘で野地板に打ち付けて固定するという方法であり、一般的な陶器瓦と比べても強風に強いという長所があります。
なかなか色褪せしないで美観が長く持つ
普通のスレート瓦、セメント瓦と呼ばれる屋根材は耐用年数が10~15年ほどしかなく、塗膜が薄くなってくる、剥げてくるという経過を見せてきます。
そうした劣化が見えてくるころには塗装メンテナンスを行う必要があるのです。
新しく屋根材の表面に塗装をし直すことによって再び機能を取り戻すというものですが、そのたびに足場を組み立てて作業を行うということになるので、費用と時間がかかってくることとなります。
しかしこのROOGAでは製造元のケイミュー株式会社が開発した独自の技術である「グラッサコート」を表面の塗膜に使用されています。
この性能によって紫外線によって塗膜が色褪せしてくることを防ぎ、もともと持っている鮮やかな色合いや光沢を長く保持することができるのです。
長期間塗膜を維持することによって塗装メンテナンスの回数を減らすことができるので、コストパフォーマンスにも優れているということになります。
2種類の製品が醸し出す優れたデザイン
日本では伝統的な建物ではやはり古来よりの和瓦が使われており、その瓦が建物に重厚感を持たせているとも言えます。
こうした重厚感は普通のスレート屋根や金属屋根ではなかなか出せないというのは事実です。
ROOGAでは2種類の製品によってこの和瓦独特の重厚感を表現しています。
この2種類とは「鉄平」と「雅」という製品です。
・鉄平
「鉄平」とは「平」という名称が入っている通りに平べったい形状のデザインとなっている屋根材です。
平べったい形状ですので、洋風の建物にも合わせることができるデザインとなっており、スタイリッシュに外観をまとめたいという時にはこちらの鉄平を選ぶことをおすすめします。
ただ、伝統的な日本建築の建物で屋根に重厚感を持たせたいという時にはあまり適していないとも言えます。
・雅
「雅」は昔からある和瓦を彷彿させるイメージをしています。
役物も多く用意されており、日本の伝統的な家屋の重厚感を出したいという人に特におすすめできる製品です。
断熱性、遮音性が高い
どちらのタイプのROOGAにも屋根材の内部に気泡が多く含まれており、この含まれている気泡が空気層となって屋根の断熱効果を高めることにつながっています。
また、屋根材から下地である野地板への太陽熱が伝わっていくことも軽減することでさらなる遮熱効果も期待できます。
また、そもそもの屋根材自体がある程度の分厚さがあることで遮音性も向上しているのですが、屋根材を重ねて施工する部分もあり、その効果でさらに高い遮音性も発揮できるようになっています。
「ROOGA」を使用する際のデメリット、注意点とは
基本性能が高く、メリットが多いとされるROOGAですが、実際に利用する際にはデメリットや注意点があるのも事実です。
それらを施工する前に把握しておくことでより効率的にROOGAを設置していくことができるでしょう。
工事費用が高額となるのがネックとなる
まずROOGAという製品自体が一般的なスレート屋根と比較すると高いという事実があります。
さらにこのROOGAを屋根で施工する際にはメーカー純正の垂木を使用すること、もしくはその製品と同等の性能を持った材料を使って施工しなけれなならないということが規定されているため、こうした素材、材料を揃えて施工するということで、さらに費用がかかってくることとなります。
もしメーカーが指定しているものと違った製品を使って施工した場合には保証の対象外となってしまうのです。
保証の対象外として判断されてしまうと何か不備があった際には保証がされないため全額自費で補修を行わなければなりません。
施工する際にはメーカーが指定している材料を使って施工しましょう。
また、施工の方法がROOGA製品を一枚ずつ下地である野地板に釘で打つことによって屋根で固定していくという施工方法が採用されているために、高い施工技術を持った職人でなければ施工できないということもあります。
さらにこの施工の仕方は工期が長くなってしまうという傾向があります。
工期が長くなることはそれだけ職人を延べ日数で使うということにもなるため、その面でも費用がかかることにつながるのです。
保証年数が短い
屋根材には普通「保証」がついており、その期間内であれば無償で補修を行ってもらえたりするという制度があります。
しかしROOGAの製品保証は一般的な他のメーカーの屋根材と比較してみても保証年数が短く設定されています。
これは瓦屋根や普通のスレート屋根と比べて頑丈であると言ってもROOGAが「スレート屋根」であることには違いないということが関係しています。
基本的にスレート屋根は割れやすい、耐久性が低い、飛来物が当たれば割れるという特徴があるために保証年数も短く設定されるのが定番なのです。
ROOGAの保証年数も一般的なスレート屋根と同様に10年に設定されており、屋根を含めたリフォームを行う際には保証の対象外となってしまいます。
保証年数が長くないと嫌だという人、安心できないという人にとっては向いていないと言えるかもしれません。
雨には強いが雪にはあまり強くない
ROOGAはメーカー独自の技術によって独特の水切り形状をしていることが影響して雨には強いという長所があるのですが、金属屋根と比べると屋根材自体の重量があるために屋根の上に大雪が積もったりすると、雪と屋根材を合わせた重みで屋根が倒壊してしまう危険性を持っています。
ROOGAを利用しようとしている地域が雪が大量に降る豪雪地帯である場合には、あまり利用には適していないとも考えられます。
利用するつもりなのが積雪が多い地域なのかどうかを考えて選ぶことをおすすめします。
取り扱っていない業者もある
一般的なスレート屋根や金属屋根などであれば多くの業者で取り扱っているのですが、ROOGAは一枚ずつ下地に釘で打っていくという特殊な工法で施工をするために施工できる職人が限られるという特徴があります。
そのため、熟練の職人がいない業者などでは取り扱っていないということもあります。
ROOGAを利用したい場合は、まずROOGAを扱っている業者を探すところから始める必要があると言えます。
そもそもROOGAを施工できるのが販売メーカーに認定されたルーガショップでのみが施工できるという決まりがあるため、それもさらに施工する業者が限られる理由となっています。
まとめ
瓦屋根の重厚感、雰囲気が好きだという人は数多くいます。
しかし瓦屋根は「重い」という弱点があるため、耐震性能に不安を残してしまいます。
実際に耐震工事が行われる際には重い瓦屋根からスレート屋根や金属屋根に変更するということが多くなっています。
そんな際に「ROOGA」であれば瓦屋根のような重厚感、高級感を持ったまま瓦屋根の半分以下の重量にすることができるということで近年人気となっています。
瓦屋根の雰囲気は欲しいが屋根は軽くしたいという人にぜひおすすめの屋根材と言えるでしょう。