屋根材としてもっとも人気の高い「ガルバリウム鋼板(こうはん)」とは?
屋根修理や雨漏り対策を考えている方の中には、「ガルバリウム鋼板」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?最近では、軽くて丈夫な屋根材として注目を集めていますが、その特徴やメリット・デメリットについて詳しく知っている方は意外と少ないものです。
この記事では、ガルバリウム鋼板の基本性能やお手入れ方法、さらに押さえておきたい注意点までを、わかりやすく解説します。
ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板は、鋼板(鉄)の表面に特殊な合金「ガルバリウム」でメッキ加工を施した屋根材です。
一般的に「ガルバ」や「ガルバニウム」という略称でも知られています。
この屋根材は、アルミニウムと亜鉛の組み合わせで鋼板を保護する構造により、優れた耐久性を実現しています。
従来は「トタン屋根」が一般的でしたが、アルミニウムを加えることで耐久性を大幅に向上させたガルバリウム鋼板が、新しい屋根材の主流となっています。
ガルバリウム鋼板の基本性能
ガルバリウム鋼板の主な特性と寿命について詳しく見ていきましょう。
優れた特徴
ガルバリウム鋼板は錆への強い抵抗力があり、優れた耐久性と防火性能を備えています。
最大の特長は、1枚わずか4.0kgという軽さです。この軽量性により、既存の屋根の上に重ねて施工する際も、建物への負担を最小限に抑えることができます。
製品寿命について
適切なメンテナンスを行えば、30〜40年の使用が可能です。寿命に達した場合は、新しい屋根材への葺き替えを推奨しています。
ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム屋根には、以下の4つのメリットがあります。
・優れた耐久性
・抜群の軽量性
・高い加工性
・メンテナンスのしやすさ
それぞれの特長について詳しく解説していきます。
優れた耐久性
最大の特長は、その優れた耐久性です。
亜鉛による犠牲防食機能(※)とアルミニウムの防食性能を組み合わせることで、従来のトタン屋根の3〜6倍もの耐久性を実現しています。
海沿いの塩害地域から豪雪地帯まで、さまざまな環境で採用されています。ただし、完全にメンテナンスフリーというわけではなく、定期的な点検は必要です。
※ 亜鉛が鉄(鋼板)の代わりに腐食することで、本体の劣化を防ぐ仕組み
抜群の軽量性
1〜3mm厚の金属板を使用し、1枚わずか4.0kgという驚きの軽さを実現。瓦屋根の約1/10という軽量設計により、建物への負担を大幅に軽減し、地震に対する安全性も確保できます。
この特長を活かし、既存の瓦屋根の上からの重ね葺きなど、重量制限のある改修工事でも多用されています。
高い加工性
薄型の金属板を採用しているため、多様な屋根形状に対応可能です。
複雑な形状の屋根でも美しく仕上げることができ、デザイン性の高い建築物にも適しています。
メンテナンスのしやすさ
表面が平滑で水はけが良いため、汚れの付着やコケ・カビの発生を抑制します。
ただし、マット仕上げの「ツヤ消しタイプ」は汚れが目立ちやすいため、メンテナンス性を重視する場合は「ツヤありタイプ」がお勧めです。
ガルバリウム鋼板のデメリット
ガルバリウム鋼板には素晴らしい特徴がたくさんありますが、いくつか気をつけたい点もございます。以下の4つのポイントについて説明します。
・室内の温度調節について
・音が伝わりやすいこと
・時間の経過による見た目の変化
・設置時の費用について
それでは、順番に詳しく説明します。
室内の温度調節について
金属でできているため、熱が伝わりやすい性質があります。快適な室内環境を保つためには、断熱材を一緒に使う必要があります。
音が伝わりやすい
薄い金属板を使用しているため、外の音が室内に伝わりやすくなっています。特に雨の日は、防音対策をしていないと雨音が気になることがあります。
時間の経過による見た目の変化
アルカリ性のものが触れると色が変わってしまうことがあります。特に落ち葉などが長く触れたままになっていると、変色しやすくなりますので、定期的なメンテナンスが大切です。
設置時の費用について
工事費用は他の屋根材と比べると少し高めになります。具体的な価格の違いは以下の通りです。
屋根材 | 工事費用/㎡ |
---|---|
スレート屋根 | 4,500〜8,000円 |
ガルバリウム屋根 | 5,000〜10,000円 |
ただし、長く使える上にお手入れも簡単ですので、長い目で見ると費用対効果の良い選択肢といえます。
ガルバリウム屋根のお手入れについて
ガルバリウム屋根は丈夫で長持ちする素材ですが、きれいな状態を保つためにはちょっとした心がけが大切です。ここでは、主な3つのお手入れ方法をご紹介します。
・定期的なお掃除
・塗り替え
・屋根の付け替え
それでは、具体的な方法を順番にご説明していきます。
✅定期的な清掃
ガルバリウム屋根はお手入れがしやすい素材ですが、長い間に少しずつ汚れがたまることがあります。
お掃除をするときは、柔らかいブラシと水を使って優しく洗うのがおすすめです。強い洗剤や高圧洗浄機は屋根を傷めてしまう可能性があるので、使わないようにしましょう。
✅塗り替え
丈夫なガルバリウム屋根でも、長年使っているうちに色があせてくることがあります。見た目が気になり始めたら、塗り替えを検討してみましょう。
一般的に、設置してから15年から30年ほど経ったら塗り替えの時期です。塗り替えの工事をする時は、つなぎ目や金具の状態もしっかり確認して、必要に応じて直すことで雨漏りを防ぐことができます。
✅屋根の張り替え
建物が30年以上経っている場合は、屋根材自体に問題がなくても付け替えを考えた方が安心です。これは、屋根の下にある防水シートの寿命が約30年だからです。
防水シートを交換するには、今ある屋根を一度外す必要があります。そのため、この機会に屋根全体を新しくすることをおすすめします。
まとめ
ガルバリウム鋼板は、軽量で錆に強く、優れた耐久性を持つ屋根材として、多くの住宅リフォームで選ばれています。その一方で、遮音性や断熱性には注意が必要で、適切な対策や定期的なメンテナンスが大切です。
屋根の寿命は建物全体の安心につながる重要なポイントです。もしガルバリウム鋼板についてさらに詳しいアドバイスが必要でしたら、私たちウェルスチールにぜひご相談ください。プロの職人が、わかりやすい説明と最適なご提案をお約束します。 屋根のことなら、どんなことでも私たちにお任せください!