屋根の豆知識

スーパーガルテクトとはどんな屋根材?気になる耐久性について解説

最近では新しい屋根材には金属屋根が使われることが多くなってきています。
少し前までは「ガルバリウム鋼板」が主流となっていましたが、最近ではさらに高性能な「エスジーエル鋼板」が使われることが増えてきました。
そこでここでは、注目されているエスジーエル鋼板の中でも「スーパーガルテクト」という製品について紹介していきたいと思います。

スーパーガルテクトについて

こちらの屋根は大手建材メーカーである「アイジー工業株式会社」が提供している国産の金属屋根材のことです。
近年人気となっている屋根材であるスーパーガルテクトの概要について述べていきます。

アイジー工業株式会社とは

スーパーガルテクトを製造販売しているアイジー工業株式会社は本社が山形県にある、金属建材などを扱っている大手メーカーです。
建材メーカーの中でも歴史が古く、2020年には創立50周年を迎えた老舗のメーカーなんです。
その中でも特に「金属屋根材」と「金属外壁材」といったジャンルにおいては日本国内でトップシェアを誇っている会社でもあります。
アイジー工業はこれまで金属屋根を代表する「ガルテクト」という製品を販売してきました。
こちらは外見はスレート屋根のようにシンプルで、扱いやすい屋根材でありながら高い耐久性を誇っているというガルバリウム鋼板の金属屋根となっていました。
ガルバリウム鋼板は屋根材や板金など建材として幅広く使用されている素材です。
軽い、丈夫、錆にも強いという特性があります。

スーパーガルテクトの概要とは

長く会社の主力商品となっていた「ガルテクト」は高い耐久性、断熱性がありながら軽いという多くのメリットを持った金属屋根でしたが、その後に販売された「スーパーガルテクト」以前のガルテクトよりもそれぞれの性能を高めた製品となっています。
ガルバリウム鋼板の次に建材の中心的な素材となっていくとされている「エスジーエル鋼板」を素材としており、耐用年数や耐久性などが向上しています。

エスジーエル鋼板は未来の建材の中心となるだろうと予想されている素材であり、急激に使用が増えてきている素材ではあるのですが、だからといって日本の屋根材のうちエスジーエル鋼板が金属屋根ですべて使用されているというわけではないのです。
エスジーエル鋼板はどの建材メーカーでも自由に製造しているというわけではなく、「日本製鉄グループ」の建材メーカーだけで販売しているという素材です。
そのために他の製鉄会社、製鋼会社などから素材を購入して製造をしている屋根材にはエスジーエル鋼板は使用されていないということになります。
珍しい素材であるエスジーエル鋼板を使用していることこそが最大の特徴だと言えるでしょう。

スーパーガルテクトの特徴やメリットについて

スーパーガルテクトはさまざまな点において性能の高い屋根材とされています。
そこでここではスーパーガルテクトの特徴やメリットについて紹介していきます。

高い耐久性

スーパーガルテクトは他の屋根材と比較して、とにかく耐久性が高いという点が挙げられます。
これは素材となっているのがエスジーエル鋼板だということが関係しています。
ガルバリウム鋼板が素材となっていたガルテクトも高い耐久性が評判となっていましたが、エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板と比較して3倍以上の耐久性が認められています。
これはメッキ層の厚さが関係しており、メッキ組成(アルミニウム55%、亜鉛41.4%、マグネシウム2%、シリコン1.6%)という組み合わせでメッキされていることで腐食に強いことが関係しています。
厚さもガルバリウム鋼板と比較すると約1.3倍の分厚さとなっていることも影響しています。
腐食に強いということで海辺の建物の屋根に使用しても塩害に強いといった点も魅力の一つです。

高い断熱性

一般的な金属屋根は金属ということもあって熱伝導率が高く断熱性は優れてはいません。
それが金属屋根のデメリットと言われることがあるのですが、スーパーガルテクトは「断熱材一体型の金属屋根のために高い断熱性を保有しているという特徴があります。
断熱材が屋根材の裏側に設置されていて、最厚16mmという厚みの断熱材の効果があることで熱貫流率が1.43W/㎡Kという高い数値を可能としています。
この数値はスレート屋根や瓦屋根よりも優秀な断熱効果です。
断熱性が高いために夏の日差しが強い場合であっても室内まで熱が伝わりません。
また、冬は熱を通さずに保温できることによって室内を暖かく保てます。

高い耐火性、不燃性

スーパーガルテクトで使用されている断熱材には「ポリイソシアヌレートフォーム」という高い耐火性を持つ素材が使用されています。
そのため、断熱材が高温で溶けてしまうということもありませんし、火が着いたとしても火が勢いよく広がってしまうことがありません。
日本では木造の建物が多く、火災が広がりやすいという傾向があるのですが、スーパーガルテクトは不燃性が高いために安心できる屋根材となっているのです。

高い止水性、排水性

屋根材の重要な働きの一つとして「水を屋内に侵入させない」働きがあります。
そのために屋根材の止水性や排水性がどれだけあるのかということが重要となっています。
スーパーガルテクトは部分的に折り曲げ加工がなされており、これは屋根の内部に雨水を入れこませない働きをしています。
また、スーパーガルテクトで使用されているケラバ板金という素材は止水性、排水性などが優秀である板金で、これも屋根材の止水性と排水性を高めるのに役立っています。

屋根材は釘やビスを使用して固定することが多いのですが、釘打ち部分の周囲に水が溜まってしまうことで、内部に水が浸入する、釘が錆びるという原因になります。
ただ、スーパーガルテクトの釘打ち部分にはぶ厚い断熱材が充填されており、他の屋根材と比較して金属屋根の釘打ち部分が厚くなっています。
この厚みがあるおかげで釘打ち部分から雨水が内部に侵入しにくくなっています。
スーパーガルテクトは横葺きの金属屋根であり、上下左右の部分でジョイントされています。
ただ、つなぎ目となるジョイント部分から雨水が屋根の内部に侵入しやすいということが多くなっています。
しかし、スーパーガルテクトはこういったジョイント部分の止水性が非常に高くなっており、その性能の優秀さは「文部科学大臣賞」「弁理士会会長賞」といった権威のある賞を受賞していることでもはっきりしています。

アイジー工業公式HP▷コチラ

換気棟が高性能である

屋根材は通気性が悪いと内部に湿気が溜まってしまい、それが錆びや腐食につながることがあります。
そのため換気棟を設置したりして通気性を確保しようとしているのですが、その効果は屋根材によっても違っています。
スーパーガルテクトは設置する際に屋根の内部に大きく穴を開け、換気できるようにしているために一般的な換気棟よりも多くの空気を換気できるという特徴があります。

高い安全性、保証、持続性がある

スーパーガルテクトは国外から輸入された製品ではなく、国内での生産のため、安全性にも期待できます。
こういった屋根材は国産のものではメーカーごとに保証が規定されており、輸入製品のものでは輸入元ごとによっても保証内容が違っています。
保証期間や保証内容が重要であり、それが使用する際の安心につながってくるのですが、製造元のアイジー工業は大手建材メーカーらしい手厚い保証が付属しています。
会社の公式サイトでは保証内容や施工マニュアルなどがわかりやすく公開されており、施工する際の方法についても「新築用」「改修用」がそれぞれしっかりと公開されています。
これだけ情報を細かく公開しているというのはメーカーが自社の製品に絶対の自信がある証でもあります。

また、国産の製品であるということは比較的安定して供給することができる製品だという強みもあります。
海外の屋根材を輸入する際には、輸入元の国の都合や経済状況によって製造が中止されたり、為替レートの変動によって製品価格が急に高くなるということがあります。
その点、スーパーガルテクトは日本の山形県で生産されるため、製品供給が安定しているというメリットもあります。
さらにスーパーガルテクトは販売時に納品される際には屋根材、板金といったそれぞれの部品すべてがビニールとダンボールに丁寧に梱包されて納品されます。
輸入屋根材などの場合は輸入元や製品によっては丁寧に梱包されることなく、そのままで納品されることもあるので、輸送面でも安心だと言えます。

スーパーガルテクトの耐久性をさらに高める施工方法について

屋根材は一度屋根に設置して固定し、頂点の部分に棟板金を設置して固定してしまうとそれからは屋根の内部がどうなっているかは簡単には確認できなくなります。
それだけにどうやって設置したか、釘をどのように打ち付けたのかによって耐用年数や耐久性が大きく変わってくるのです。

スーパーガルテクトを設置する場合はスレート屋根とは違って部分的に折り曲げて加工できるという特徴があります。
その特性を利用して屋根材を折り曲げて設置する「立ち上げ」という工法やL型よりも高価な部材を使用して設置していく「C型捨て谷」といった工法を利用することが可能なのです。
これらの工法を使用することで、さらに耐久性を向上させることができます。
ただ、実際にはC型捨て谷は高価な部材となっており、数多く使用すると工事費用がかなり高額になってしまうというデメリットがあります。

まとめ

屋根材には色々な種類がありますが、最近では金属屋根が増加傾向にあります。
少し前まではガルバリウム鋼板を素材にした製品が主流でしたが、近年さらに性能が向上したエスジーエル鋼板を素材にした製品が増えてきています。
その中でも「スーパーガルテクト」は高い耐久性、断熱性などが評判となっている製品であり、これからさらに利用が増えていくことが予想されています。

〈スーパーガルテクトを使用した施工事例〉

施工エリア

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