屋根の豆知識

雨漏りはコーキングで止めることができる?補修方法と注意点について解説

雨漏りが発生する原因にはさまざまなものがあります。
屋根材や外壁部分に劣化や破損が見られるという場合もありますし、雨樋やベランダが原因となる場合もあります。
また、劣化や破損にも程度の違いがあり、原因の場所や程度によって対応も変わってくることとなります。
それらの中には「コーキング」によって雨漏りを止めることができるという場合もあります。
そこでここでは、雨漏りをコーキングで止める際の補修方法や注意点について紹介していきたいと思います。

コーキングとはどういったものなのか

屋根や外壁などで幅広く使用されているコーキングですが、「シーリング」と呼ばれることもあります。
「コーキング」はもともと英語の「caulking」からきており、隙間を塞ぐ、詰める、くっつけるという意味があります。
「シーリング」は英語の「sealing」からきており、塞ぐ、密閉する、封印するという意味があります。
多少の違いはありますが、一般的には同じものとして扱われることが多くなっています。

屋根や外壁だけでなく、建物内部においても浴槽と壁部分の間や窓のサッシ、コンセントの周囲などさまざまな場所で使用されています。
基本的には「水の侵入を防ぐ」という使われ方が多くなっており、隙間を塞いで水を侵入させないというのがベースとなります。
水の侵入を防ぐことで、雨漏りを防ぐ、木材の腐食を防ぐ、シロアリの発生を防ぐという効果が期待できます。

屋根工事業者や外壁工事業者は当然のように使用するコーキング材ですが、これはホームセンターなどでも普通に販売されています。
プロが使用する高性能なものについては高額になりますが、数百円程度の安価なものもあります。
種類についても「シリコン」「変成シリコン」「ポリウレタン」といったものがあり、用途に応じて使い分ける必要があります。
ただ、一般の人でも普通に購入することはできるのですが、コーキングは施工方法を間違えるとトラブルにつながることも多いため、よほどの知識がない限りは使うのはおすすめしません。

コーキングの本来の役割とは

コーキングにはさまざまな役割があります。
ここではそれらの中からよく使用されるものを紹介していきます。

建材、部材同士の隙間を埋める

コーキングが果たしている役割の1つに「建材や部材同士の隙間を埋める」ということがあります。
屋根と外壁、外壁と窓サッシのように違う種類の建材を使う場合にはどうしても隙間や溝ができてしまいます。
こうした隙間については放置しておくと、その部分から雨水やゴミ、ホコリなどが入っていきやすく、建物の寿命を縮めることとなります。
特に隙間から雨水が侵入した場合は木材の腐食やシロアリの発生などにつながりやすいため注意しなければなりません。
こうした不要な隙間を塞ぐためにコーキングを行うのです。
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ひび割れを塞ぐ、防止する、埋めて補修する

硬い素材の外壁などの場合は太陽光による温度の変化によってほんのわずかずつ膨張や収縮を繰り返しています。
基本的には温度が上昇するとわずかに膨張し、温度が下がると収縮していきます。
普通は目で見てわからないほどの変化ですが、これを何度も繰り返すことによってひび割れが起きたり隙間ができたりするのです。
そのため、外壁同士のつなぎ目などにコーキング材を打ち込んでおくことで、そのコーキングがクッションのような緩衝材となって外壁が膨張や収縮を繰り返してもその衝撃を吸収、緩和することが可能となるのです。
コーキングが弾力を持って衝撃を和らげることによってひび割れが起きるのを防ぐことができるのです。
また、すでにできてしまったひび割れについても小さいひび割れであればコーキングを打ち込んで補修するということも可能です。

コーキングによる補修によって雨漏りを防ぐことができる場合とは

コーキングを行うことによって雨漏りを防ぐことができるかどうか、ということについては結論から言えば「できる場所もあるができない場所もある」ということになります。
コーキングを使用することで雨漏りを防ぐことができる場所で適切な方法で施工すれば雨漏りを防ぐことができると言えます。
そこでここではまずコーキングによって雨漏りを防ぐことができる場合を紹介していきます。

窓サッシ、庇、換気扇まわりなどが原因の雨漏りの場合

以前はサッシといえばアルミ製のものが多く、それより前は木製のものが使われていました。
こういったものは経年劣化によって破損することがあるため、メンテナンスが行われていたのですが、最近は樹脂製のものが増えてきたこともあって頻繁にメンテナンスをする必要がなくなってきています。
こうしてサッシ自体は耐用年数が長くなったことであまり劣化や破損することはなくなってきたのですが、その周囲のコーキングについては当然劣化していきますので、そこが劣化することで雨漏りの原因となることがあるのです。
サッシ自体に問題がなく、その周囲のコーキングの劣化だけが原因なのであればコーキングを打ち直すことによって雨漏りを防ぐことができる場合があります。

これは窓サッシだけでなく、庇や換気扇についても同じことが言えます。
庇や換気扇についても素材やデザインの工夫によって耐用年数は長くなってきたのですが、それらの周囲に使われているコーキングについてはやはり劣化していくのです。
こうした場所のコーキングの劣化については、新しく打ち直すことによって雨漏りを防ぐことができる可能性があります。
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サイディング外壁、ALC外壁の目地などからの雨漏りの場合

最近では一般的な住宅を建てる場合、工期が短くなってきています。
これはサイディング外壁やALC外壁の使用が増加してきたためだとされています。
これらは建設現場で一からすべてを作成するのではなく、別の場所であらかじめ板状に加工された外壁を作成し、建設現場に運んできて組み立てるというものです。
この方法によって建設期間は短くなってきたのです。
ただ、こうした外壁材は硬さがあるため、あまりに隙間なく組み立ててしまうと地震があった際などにズレてしまう、衝撃が逃げることができずに外壁が破損してしまうということがあります。
そのため、わざと隙間を少し作り、その隙間にコーキングを打つことで緩衝材をしていることがあるのです。
もちろんこれらのコーキングについても劣化していきますので、劣化がひどくなると雨水が浸入していくこととなります。
外壁部分が原因で雨漏りが発生しているという場合はこれが原因となっていることが多くあります。
こうした場合もコーキングを新しく打ち直すことによって雨漏りを防ぐことができると言えます。

外壁が「モルタル」だった際のひび割れからの雨漏りの場合

「モルタル」とはセメントに砂と水を混ぜてできているものです。
外壁材としても継ぎ目ができずに形も都合に合わせて自由に変えることができるために使用されることが多くなっています。
ただ、使いやすさはあるモルタルですが、「乾燥による収縮」「塗りこみ不足」「太陽光や雨水による経年劣化」「地震などの災害」などが起きると、ひび割れが発生することがあります。
たいていの場合は小さいひび割れ、細いひび割れができてきて、そのまま放置していると大きなひび割れとなっていきます。
大きなひび割れまで発展してしまうと大規模な塗り替え工事を行う必要がありますが、小さいひび割れであればコーキングすることによって補修できる可能性があります。
ひび割れが小さい場合は考えてみるのも良いでしょう。
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コーキングによる補修では雨漏りを防ぐことができない場合とは

雨漏りをコーキングすることで防ぐ、補修することができる場合もあるのですが、コーキングでは防ぐことができない雨漏りもあります。
こういった場合は本格的な補修工事や交換工事が必要になるため注意が必要です。

屋根材が割れている、破損している場合

スレート屋根、瓦屋根などが割れている、欠けているという場合、コーキングすることで補修できそうなイメージがあります。
実際に小さく欠けている程度であればコーキングで埋めることができる場合があるのですが、屋根材が割れている、破損していることで雨漏りが発生している場合は屋根材だけが原因ではないことが多くあります。
屋根材が破損していることによって、その下地である野地板やルーフィングへの負担が大きくなり、こういった場所が劣化していることが多いのです。
ルーフィングが劣化していることによって雨漏りが発生しているとも言えるでしょう。
そのため、屋根材をコーキングして補修すれば良いというものではなく、野地板やルーフィングの交換が必要となるのです。

金属屋根の錆びや腐食が原因で穴が開いている、破損している場合

スレート屋根や瓦屋根から金属屋根に交換するという建物も増えてきています。
これは金属屋根が軽くて丈夫ということがあり、耐震性能を高めるという意味でも適しているとされるためです。
少し前にはガルバリウム鋼板、最近はエスジーエル鋼板のものが増えてきています。
金属屋根は高い耐久性を誇っていますが、それでも錆びたり腐食することで穴が開いたりする場合があります。
金属屋根が錆びによって穴が開いてしまった場合にはコーキングによる補修はできません。
屋根材の交換やカバー工法などの工事が必要となってきます。

まとめ

コーキングは建材と建材の隙間を埋めるという重要な役割を果たしています。
また、小さいひび割れなどであればコーキングを行うことで雨漏りを防ぐことができる場合もあります。
ただ、一度打ったとしても10~15年程度で経年劣化していくため、新しく打ち直す必要があります。
定期的にメンテナンスを行うことでその効果を持続させていきましょう。

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