屋根の豆知識

瓦屋根の劣化サインとメンテナンス方法について解説

近年屋根材としては金属屋根が増加してきており、新築の家で瓦屋根を使用することは減ってきました。
しかし日本では古くから瓦屋根を使っていたことがあり、特に伝統的な建物ではまだまだ多くの瓦屋根が多く使われています。
瓦屋根は耐用年数が長い屋根材ですが、絶対に劣化しないというものではありません。
そこでここでは瓦屋根の劣化サインとメンテナンス方法について紹介していきたいと思います。

瓦屋根のメンテナンスが必要となる時期とは

 

瓦屋根は他の屋根材と比べると比較的耐用年数が長いのですが、それでも経年劣化はしていきます。
また、そうした耐用年数とは別に補修点検、メンテナンスをした方が良いタイミングもあります。
ここではそうした時期、タイミングについて述べていきます。

大きな自然災害があった後

台風、地震、雹災害などが起きた際には屋根や外壁に被害が出ている場合があります。
瓦がズレてしまう、隙間ができている、欠けている、破損しているということがありますし、あまりにひどい場合には屋根から落下してしまうということもあります。
こうしたトラブルは建物の下から見てわかるようなこともあるのですが、多くの場合は専門家が適切に点検をしなければわからないようなものです。
屋根の上に登って細かく点検をしていかなければならないのですが、素人が屋根の上に行くのは非常に危険な行為です。
特に大雨の後などは絶対に避けるようにしましょう。

築年数が15~20年ほど過ぎたとき

大きな自然災害がなかったとしてもある程度の期間が経ったら点検を入れていかなければいけません。
瓦の中でも陶器瓦などは耐用年数が長い場合が多く、50年以上持つようなものもあります。
だから50年放置しておいてよいというわけではありません。
瓦そのものは劣化していなかったとしても瓦の周りにある漆喰やコーキングは劣化していきます。
どちらも耐用年数は15年前後となっているため、瓦よりも先にこちらが劣化していくのです。
瓦が無事であったとしても漆喰やコーキングが劣化していくと瓦がズレる、落下する原因となります。
もちろん瓦も何か飛来物があった場合などはひび割れたり破損するということもあります。
ある程度の期間が過ぎればカビ、コケなどが発生してくることもあります。
このようにある程度の期間が経っている場合には定期的に補修メンテナンスを行うことが瓦屋根を長く維持していく秘訣だと言えます。

瓦屋根の劣化の段階にはどういった段階があるか

 

瓦屋根が劣化していく際にはいくつかの段階があります。
浅い段階のうちであれば補修メンテナンスも軽微なもので済みますが、段階が進んでしまうと大規模な改修工事が必要となってしまいます。
できるだけ早い段階のうちに補修をすることをおすすめします。

瓦の塗装が薄くなっている、色落ちしている

瓦屋根が劣化してくる際の早い段階としては塗装の色落ちというものがあります。
瓦屋根には塗装が必要なものと不要なものがありますが、その中でも塗装が必要なタイプの瓦の表面には紫外線を防ぐ、雨水の侵入を防ぐという意味合いで塗装がなされています。
ただ、こうした塗膜は長期的に紫外線を受けたり、雨水を受け続けることによって薄くなる、色落ちする、色褪せてくるということがあります。
塗膜が薄くなる、剥げてくると雨水が瓦屋根本体に当たってしまうこととなります。
瓦屋根の素材によっては瓦本体が雨水を吸収してしまうものもありますので、一気に劣化が進むこととなってしまいます。
色褪せてきたらいきなり危険なわけではありませんが、この段階でメンテナンスをしていけば大規模な改修工事を避けることができるでしょう。

瓦の周囲、付近にカビやコケが発生してくる

瓦屋根の塗膜が薄くなってくると瓦屋根が水分を含むこととなります。
瓦が水分を含んでしまうことによってカビやコケが繁殖してきます。
この際、「緑」「黒」「茶」など色々なカビ、コケが発生してきます。
カビやコケが発生したから瓦が腐食してダメになってしまうわけではありませんが、カビやコケはシックハウス症候群などの健康被害にもつながります。
家族の健康のためにもできるだけ早く対処することが重要です。
専門の業者に依頼すると高圧洗浄機を使って洗浄してもらえますので、相談してみると良いでしょう。
ウェルスチールでは点検+高圧洗浄のみの施工も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

瓦に小さいヒビが入ってくる

瓦が色褪せしている、カビやコケが発生しているという状態を放置しているとさらに劣化は進んでいくこととなります。
まずは瓦に小さいヒビが入ってきますので、ここで止めることが重要です。
こうしたひび割れはさまざまな理由で起きてきます。
まず瓦は暑い日差しを受けて高温になるとわずかに膨張し、温度が下がると収縮します。
この膨張と収縮を何度も繰り返すとひび割れが起きてしまうこととなります。
温度差が激しい時期などはより注意しましょう。

崩れている部分がある、破損している部分がある

瓦の劣化が進んでくると崩れている部分、欠けている部分、破損している部分が増えてきます。
欠けているのがわずかであれば補修メンテナンスをすることで解決するのですが、欠けている部分が多い、あちこちが崩れているとなってくるとかなり劣化段階が進んでいると言えます。
こうなってくると瓦の交換が必要となってくる場合があります。
大規模な補修が必要なのか、部分的な補修で済むのかは業者に相談してみましょう。

瓦屋根同士の間に隙間が出来て戻らない

瓦屋根はスレート屋根や金属屋根のように変形してしまうということはあまりないのですが、それでも屋根材同士に隙間ができてしまって元の位置に配置できない、うまく組み合わさらないということがあります。
これはどこかが大きく欠けていたり変形しているということが原因ですので、この状態までくると大規模な補修工事が必要となってきているのです。

屋根瓦のメンテナンス方法や費用について

瓦屋根の劣化が進んでくると補修工事をしなければいけません。
ただ、どういった補修を行うのかについては瓦の種類や劣化の程度の違いによって費用が違ってきます。
ここでは粘土瓦とセメント瓦のそれぞれのメンテナンス方法と補修を行う際の費用の相場について紹介していきます。

粘土瓦のメンテナンス方法と費用について

釉薬瓦などの粘土瓦、陶器瓦については大規模な補修メンテナンスを行う場合には大きく分けると「葺き替え」と「カバー工法」という2つの種類があります。
もちろん瓦が1枚だけ割れていて、他の瓦には問題がないといった場合にはその交換が必要となっている1枚だけを交換することが可能です。

葺き替え工事とは屋根材や下地などをすべて新しいものと入れ替えるという工事です。
既存の瓦をすべて撤去して、下地まで整理していって新しく下地を整えた上で新しい瓦を順に設置していきます。
もし漆喰などだけを新しいものに交換して瓦は既存のものを使うという場合は葺き直しということになります。
葺き替え工事を行う時には、工事に必要となる足場の組み立て費用や解体費用、屋根材の製品代、人件費などに加えて既存の屋根材の撤去費用、撤去した瓦の処分費用などもかかってくるために費用は高くなることとなります。
瓦屋根を使用していた場合には他の素材の屋根材に交換するということも可能で、このタイミングでスレート屋根や金属屋根などの屋根材に交換することが可能です。
かかってくる費用については新しい屋根材をどの素材のものかによってかかる費用は違ってくるのですが、一般的には100~200万円前後の費用がかかってきます。

カバー工法は既存の屋根材を撤去することなく上から新しい屋根材を設置するという方法です。
既存の屋根材を撤去しないために撤去費用や処分費用が不要なので葺き替えよりは費用を抑えて工事ができます。
ただ、既存の屋根の劣化があまりに進んでいる場合はカバー工法は利用できません。
既存の屋根が大きく傷んでいる場合には葺き替え工事を行うこととなります。
しかしカバー工法は屋根2つ分の重量が建物にかかってくることとなるので、屋根材自体がもともと重い瓦屋根の場合はあまり向いていません。
瓦屋根を使用している屋根でカバー工法を考えている場合は補修業者と相談をした方が良いでしょう。
カバー工法を行う場合は一般的に60~120万円程度の費用がかかります。

セメント瓦などのメンテナンス方法と費用について

セメント瓦などのメンテナンスを行う際には粘土瓦と同様の「葺き替え」「カバー工法」に加えて、「塗装」といった方法があります。
塗装については既存の瓦の表面を塗装し直すというもので、どれだけの費用がかかるかは使用する塗料の種類によって変わってきます。
塗装の際にも足場の組み立てや人件費などはかかってくることに加えて塗料の代金を合わせた費用がかかることとなります。
たいていは50~80万円程度の費用となっています。
新しい瓦に交換したりする必要がないという時には塗装を選ぶのも良いでしょう。

粘土瓦とセメント瓦の一般的な耐用年数について

瓦の種類によって耐用年数が違っており、それによってメンテナンス方法や時期が変わってきます。
基本的に粘土瓦は釉薬瓦で50~100年程度無釉瓦で30~50年ほどが耐用年数となっています。
あらゆる屋根材の中でももっとも長い耐用年数の屋根材だと言えるでしょう。
そのため瓦自体はほとんどメンテナンスを行う必要がないのですが、瓦を支えている漆喰などの耐用年数が20年ほどですので、そちらのメンテナンスは定期的に行う必要があります。

セメント瓦の耐用年数は30~40年ほどとなっており、こちらも屋根材の中では耐用年数は長い方ですが、10年を過ぎると塗装が剥げてくることがあるため、10~15年ほどで塗装メンテナンスを行う必要があります。

まとめ

瓦屋根には色々な種類があり、それぞれに特徴が違っています。
粘土瓦は耐用年数が長く、頻繁にメンテナンスを行う必要がないのですが、周囲の漆喰などの耐用年数に合わせてメンテナンスを行うと良いでしょう。
また、セメント瓦は塗装が薄くなる、剥げてくるというのがわかりやすい劣化サインとなりますので、塗装のし直しが必要となります。
ウェルスチールではセンメント瓦の塗装から、漆喰補修、棟の積み直しなど、瓦屋根に関するメンテナンスは多数実績がございます。
瓦屋根のお悩みはなんでもご相談下さい。

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