屋根の豆知識

屋根カバー工法について

屋根カバー工法について

屋根を大掛かりに修理する方法として「葺き替え」「カバー工法」「塗装」などの工法があります。

その中でもカバー工法は葺き替えよりも手軽に行うことができる工事として行われています。

そこでここでは屋根のカバー工法の特徴やメリット、デメリットなどについて紹介していきたいと思います。

屋根カバー工法とはどういったものか

屋根カバー工法とは既存の屋根材を撤去することなく、その上から新しい屋根材で屋根を作っていくリフォーム工事を指しています。

既存の屋根材を撤去しないために「大規模な取り壊し」「大量の撤去作業」を行う必要がない工法として注目されています。

屋根カバー工法を行う手順とは

葺き替えと比べるとイメージがつきにくいかもしれません。

ここでは実際に屋根カバー工法がどのような手順で行われるのかについて紹介していきます。

既存の棟板金や貫板を撤去する

屋根カバー工法を行う際にはまず既存の屋根の棟板金や貫板を撤去していきます。

棟板金は屋根の頂上にあるため、雨を受けやすく劣化していることも多くあります。

この部分を撤去していき、新しい屋根を設置していくこととなるのですが、基本的には後であたらしい棟板金や貫板を使うこととなります。

既存の屋根材の上から防水紙を敷く

防水シート

既存の屋根材の上から新しい防水紙(ルーフィング)を敷いていきます。

軒先から防水紙を設置することによって雨水が屋内に侵入するのを防ぐことができます。

この防水紙は新しい屋根の防水の最終ラインとなりますので、しっかりと設置していくことが重要です。

新しい屋根材を設置していく

屋根材葺き

防水紙を敷いて下地ができたら、その上から新しい屋根材を設置していきます。

新しい屋根材についても軒先側から釘やビスを使って留めていきます。

屋根カバー工法では二重に屋根を作ることになるため、重い屋根材は使用することができません。

最近はガルバリウム鋼板のような軽量の金属屋根が使われることが多くなっています。

▷人気を集めている「ガルバリウム鋼板」とは?メリット・デメリットを解説

新しい棟板金、貫板を設置していく

棟板金

屋根材が設置できたら、新しい棟板金と貫板を設置していきます。

昔は棟板金の内部に設置される貫板は木製のものがほとんどでした。

しかし木製の貫板は腐食したりすることがあるため、最近では腐食しにくい樹脂製のものが多くなっており、それにガルバリウム鋼板製の棟板金を設置するということが多くなっています。

ウェルスチールでは、基本的に樹脂製の「タフモック」を採用させて頂いています!

▷樹脂製貫板「タフモック」とは?特徴やメリット、デメリットを解説

コーキング処理を行っていく

板金の隙間などから水が浸入しないように、ジョイント部にはコーキング処理を行っていきます。

必要な隙間については「縁切り」と呼ばれる切れ目を入れて、隙間を確保しなければいけません。

こうして屋根カバー工法は完成していきます。

屋根カバー工法を行うメリットとは

屋根カバー工法を行うメリットとは

屋根カバー工法には葺き替えや塗装とは違ったメリットがあります。

そこでここでは屋根カバー工法を行うメリットについて紹介していきます。

既存の屋根材を撤去する必要がなく、費用を抑えられる

葺き替えを行う際には既存の屋根材をすべて撤去する必要があります。

もちろん手間や時間がかかるというだけでなく、撤去時には騒音やゴミ、ホコリもでやすく近隣住民とのトラブルの原因にもなります。

また、撤去した屋根材は廃材として処分しなければならないため、運搬費用や処理費用が別にかかってきます。

カバー工法の場合は屋根材を撤去する必要がないため、そのままで工事をスタートさせることができます。

撤去するのは貫板と棟板金などに限られるため撤去にも手間がかからず、工期を短くして費用も抑えることが可能となります。

工期を大幅に短縮できる

屋根を大規模に工事している間は業者が出入りすることとなりますし、機材や建材の運搬なども続くために周囲の人にとってはストレスとなります。

さらに葺き替えの場合は騒音やホコリも出るため、トラブルの原因にもなります。

カバー工法を採用することで工期が短縮できれば、そういったストレスやトラブルを軽減することが期待できるのです。

もちろん家主、依頼主にとっても工期が短いことは大きなメリットとなります。

防音性や断熱性が高くなる

屋根カバー工法を行う場合は既存の屋根の上に新しい屋根を作ることとなるため、「二重の屋根」が出来上がることとなります。

屋根が二重にあることで、雨が降っても屋内まで雨音が響きにくいというメリットがありますし、夏の強い日差しも二重の屋根で防ぐことができます。

また、冬などは室内の暖かい空気が二重の屋根でキープされるため、保温性に優れた屋根となります。

二重に屋根があるということがさまざまなメリットとなる場合があるのです。

屋根カバー工法を行う際の注意点やデメリット

屋根カバー工法を行う際の注意点やデメリット

屋根カバー工法は塗装する場合やや葺き替え工事と比較するとメリットも多いのですが、「デメリット」「注意点」もあるのは事実です。

ここではそんな注意点やデメリットについて紹介していきます。

屋根材や下地の劣化が激しい場合は施工ができない

工事をする時点で屋根材の劣化が激しい、下地が傷んでいる、ルーフィング(防水シート)まで傷んでいる、雨漏りが発生しているというような状態になっている際にはカバー工法を選ぶことはできません。

この状態まで劣化が起こっている、雨漏りがしているということになると屋根カバー工法を行うことによって屋根の内部に溜まっている湿気、水分が外部に排出されることができずに内部に閉じ込められてしまうのです。

その時点で屋根の劣化がどういった状態なのか、どれくらいの劣化具合なのかについては点検、診断を行うことで判明します。

業者の専門家に屋根診断を受けた上で、屋根カバー工法を行うことができる状態かどうかを確認していきましょう。

あまりに屋根材などの劣化がひどい場合は葺き替え工事をする必要があります。

屋根カバー工法を行うことで屋根が重くなってしまう

屋根カバー工法は既存の屋根を撤去することなく、その上から新しい屋根を設置するという工法です。

そのため屋根が二重になることとなりますので、屋根全体の重量はさらに重くなることとなります。

近年行われることが増えている「耐震工事」では屋根を金属屋根などにして軽量化することで耐震性能を向上させるという方法がよくとられていますが、その点から考えると屋根が重くなるのは時代に逆行した工法と言えるかもしれません。

屋根全体が重くなるということはそれだけ建物、柱などに負担をかけることとなりますし、地震の際には揺れが大きくなるということでもあります。

軽量な屋根材を使ってカバー工法を行うことでそれほど重くならないように配慮することは可能ですが、二重の屋根になることには違いなく、屋根が重くなることについては変わりはありません。

屋根が重くなることを避けたいのであれば屋根カバー工法は向いていないと言えます。

建物によっては雨樋を調整する必要がある場合がある

屋根カバー工法をすることによって新しい屋根の位置が高くなります。

これは既存の屋根の上から新しい屋根を設置することによって元の位置よりも高くなるということが関係しています。

そのため屋根から流れ落ちてくる水の位置も変わってしまうこととなるので、雨樋の位置調整が必要となる場合があるのです。

位置調整をしないと雨樋にうまく雨水が流れていかず、溢れてしまったり、ダイレクトに外部に放出されてしまったりすることがあります。

すべての建物で必ず必要となるというわけではありませんが、建物によっては位置調整が必要となる場合があるので注意しましょう。

屋根の内部の点検ができなくなる

屋根カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる工法ですので、元からの屋根の内部の点検をするのがほぼ不可能となります。

屋根の内部の補修や点検についてはカバー工法を行う前に行っておきましょう。

特に下地、野地板、ルーフィングなどに関してはカバー工法を行った後には点検することは不可能になります。

交換する、補修するという場合は必ず事前に行っていく必要があります。

屋根カバー工法を行うことができない屋根とは

どんな場合でも行えるというわけではない屋根カバー工法は屋根によっては絶対にできないという場合もあります。

ここでは屋根カバー工法を行うことができない屋根について紹介していきます。

古くからの瓦屋根の場合

屋根カバー工法を行う条件の一つに「屋根面がフラットである」ということがあります。

フラットな状態でなければ上に新しい屋根を設置していくことができないのです。

瓦屋根のような波打っている形状の屋根の場合はカバー工法を行うことができません。

また、瓦屋根は重量が重いために屋根全体が重くなってしまう屋根カバー工法は適していません。

古いトタン屋根の場合

ガルバリウム鋼板のような金属屋根にカバー工法を行うことはできるのですが、古いトタン屋根などの場合は下地、野地板などがすでに劣化していることが多く、屋根材自体も経年劣化していることがほとんどです。

そのため、古いトタン屋根の家に屋根カバー工法を行うことはできません。

葺き替え工事を行ってトタン屋根から金属屋根などに変更することが一般的です。

劣化しているスレート屋根の場合

こちらも理由としては古いトタン屋根の場合と同じです。

スレート屋根自体は屋根カバー工法を行うことは可能なのですが、古いスレート屋根などの場合は下地が傷んでいる場合がほとんどですので、その上から屋根カバー工法を行うことはできません。

こちらの場合もたいていは葺き替え工事を行うこととなります。

まとめ

屋根カバー工法はメリットも多いのですが、注意点も多いという特徴があります。

実際に行うかどうかは事前の診断などを参考にして判断するようにしましょう。

さいたま市にて屋根に関するお悩みは、ウェルスチールにお気軽にご相談下さい。

ウェルスチールでおこなったカバー工法の施工実績



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