屋根の豆知識

横暖ルーフとはどんな屋根材?気になる性能について解説

屋根材の中には「瓦屋根」「スレート屋根」「金属屋根」など素材によっての違いがありますが、同じ金属屋根の中にも数多くの製品が提供されています。
ここではそうした金属屋根の製品の中でも特に人気の高い「横暖ルーフ」のシリーズの特徴について紹介していきたいと思います。

横暖ルーフシリーズの概要について

次々に新しい製品が出ていく屋根業界の中でも長くにわたって人気を誇っているのが横暖ルーフシリーズです。
ここではその横暖ルーフシリーズがどういったものなのかということについて紹介していきます。

横暖ルーフシリーズとは

横暖ルーフはニチハ株式会社の金属屋根材部門である「センタールーフ」が販売している「断熱材付き金属屋根材」のことを指しています。
センタールーフは横暖ルーフしか販売していないため、専門で行っている部門だと考えて良いでしょう。
とにかく断熱性、耐候性に優れた屋根材で耐用年数も40年前後と非常に長いものとなっています。
長期保証が付いているというのも安心できる材料と言えます。

断熱材付き金属屋根材とは

横暖ルーフシリーズはガルバリウム鋼板でできている金属屋根です。
近年「軽い」「耐久性が高い」といった特徴で人気となっている金属屋根ですが、金属という素材のために「断熱性が低い」「熱伝導率が高い」「雨音が響きやすい」といった欠点もあります。
この横暖ルーフはその欠点を補うように「断熱材」がついているのです。
具体的にはガルバリウム鋼板の屋根材の裏面に断熱材が貼ってあり、一体化しているものとなっています。
断熱材がついていることで金属屋根の弱点であった断熱性の低さをカバーしていると言えます。
また、雨音についても少し緩和できるようになっています。

横暖ルーフシリーズの製品について

2024年2月現在では横暖ルーフは6種類の製品が販売されています。
それぞれに特徴がありますので、建物に合わせて選んでいくことが重要だと言えます。
ここではそれらの製品について紹介していきます。

横暖ルーフS

こちらはセンタールーフのエントリーモデルとなっている製品です。
遮断鋼板と断熱材を一体化させた屋根材となっており、厚さは最大で12mmとなっています。
塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)となっており、耐久性も高いものとなっています。
「ブラック」「ブラウン」「グリーン」の3色が用意されています。

横暖ルーフ プレミアムS

こちらの横暖ルーフ プレミアムSはフッ素樹脂遮熱鋼板でできている屋根材です。
フッ素樹脂遮熱鋼板はフッ素樹脂塗料に遮熱顔料を加えて、鋼板に焼き付けてできた屋根材です。
塗料に遮熱顔料を加えることによって断熱性と耐候性を高める効果が期待できます。
塗膜、変色、褐色については20年保証が付いています。
こちらも最大12mmの厚さとなっており、スタイリッシュなデザインとなっています。
塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできています。
色は「ブラック」「ブラウン」「グリーン」の3色となっています。

横暖ルーフα S

横暖ルーフシリーズのミドルモデルとなっています。
遮熱機能付きシリコン塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)が採用されており、厚みは最大で17mmという重厚感のあるものとなっています。
屋根材のジョイント部分の気密性を高めた構造となっており、遮熱・断熱効果が高いものとなっています。
屋根の気密性を高めることで、建物内の温度を一定に保つことが可能となります。
カラーは「ブラック」「ブラウン」「グリーン」「ギングロ」の4色展開となっています。

横暖ルーフα プレミアムS

こちらは横暖ルーフシリーズのハイエンドモデルです。
フッ素樹脂遮熱鋼板(溶融2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできており、最大17mmの厚みとなっています。
塗膜、変色、褐色の20年保証が付いており、シリーズの中でも最高性能の屋根材となっています。
カラーは「ブラック」「ブラウン」「グリーン」の3色となっています。

横暖ルーフα S 窯変

こちらは2023年に追加された新製品です。
塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできた鋼板は鮮やかなグラデーションとなっているヨーロッパスタイルのものとなっており、これまでになかったデザインの金属屋根となっています。
洋風の建物にも非常にマッチするデザインと言えるでしょう。

横暖ルーフS 1820

他の横暖ルーフシリーズの製品は長さが10尺(約3030mm)ですが、こちらの製品は長さが6尺(約1820mm)と短めのサイズとなっています。
塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできており、短い屋根材ということで扱いやすさが向上しています。

横暖ルーフシリーズのメリットとは

 

長く人気となっている横暖ルーフシリーズは数多くのメリットがあります。
どういったメリットがあるのかを知っておきましょう。

軽量で耐久性が高い

こちらは横暖ルーフの大きな特徴となっている点です。
基本的に耐久性の高いガルバリウム鋼板を使っているということもあって耐久性が高く、長い耐用年数が設定されています。
すぐに交換しなければならないということがないため、コストパフォーマンスにも優れています。
また、それだけの耐久性があるにも関わらず、軽量であるというのも大きなメリットです。
その重さは瓦屋根の1/10ほど、スレート屋根の1/4ほどしかないため、近年盛んにおこなわれている耐震工事でも多く利用されるようになっています。
屋根は軽いほど地震の際の揺れ幅が小さくなるため、耐震性が向上するとされています。
そういった意味でも軽量であるということは耐震性が優れていると言えるでしょう。

断熱性が非常に高い

金属屋根の弱点である断熱性という点についても横暖ルーフは優秀です。
横暖ルーフは三層構造となっており、「遮熱機能付き塗装」「ガルバリウム鋼板」「硬質ウレタンフォームの断熱材」でできています。
この三層構造によって遮熱性能が大きく向上しており、一般的な金属屋根とはまったく違った断熱効果が期待できるものとなっているのです。
断熱性が高いことによって、室内温度が上がりにくく、エアコンも効きやすくなります。
これは電気料金削減に役立ちます。

防水性が高い

横暖ルーフは防水性が高いというのも特徴です。
屋根材の形状も防水性を高めるオリジナルの形状をしており、流れ方向(上から下、棟から軒先方向)は折り返し4重防水構造、横つなぎ(横方のジョイント)は防水リブを4重に配置されています。
この構造によって「降水量 230mm/h」「風速 30m/s」にも耐えうるようになっています。
降水量80mm/h以上が猛烈な雨と言われていますので、かなりの豪雨にも耐えうる屋根材だと言えます。
風速30m/sについても台風直撃レベルで屋根瓦が剥がれるほどの風速ですので、これも高い性能だと言えます。
このように横暖ルーフは災害級の雨風にも耐えうる屋根材なのです。

横暖ルーフシリーズのデメリット、注意点とは

数多くのメリットがある横暖ルーフですが、いくつかの注意点もあります。
ここではそれらの注意点について紹介していきます。

傷がつくことがある

横暖ルーフは金属板に焼付塗装がされている屋根材ですので高い耐久性を誇っています。
しかしあくまでも薄い金属板ですので「衝撃」には弱いものです。
作業中に道具を落としたり、飛来物が当たったりした時には傷がついたり、凹んでしまったりすることがあります。
傷がついてしまうと、そこから雨水が浸入して腐食が進むということもありますので、傷には十分に注意が必要です。

勾配によっては使用できないことがある

屋根材によっては使用できる屋根とできない屋根があります。
横暖ルーフの場合は傾斜角度、つまり勾配が「2.5寸勾配以上」ない場合には使用することができません。
勾配とは屋根の傾斜角度のことであり、これが急であるほど雨水は勢いよく軒に向かって流れていきます。
逆に角度が緩やかであれば水が流れにくく、屋根の上に水が溜まりやすくなります。
屋根材の葺き方には「縦葺き」と「横葺き」があり、軒に対して「垂直」に設置するか「水平」に設置するかという違いがあります。
縦向きの方がまっすぐ雨水が流れていきやすいため防水性が高くなるのですが、横暖ルーフは「横葺き」ということもあり、水平方向につなぎ目ができてしまいます。
そのため勾配が緩やかだと防水性能が落ちてしまうのです。
使用するには「2.5寸勾配以上ある」ということが条件となるのです。

品質保証は沖縄や離島では利用できない

横暖ルーフシリーズには安心の品質保証がついています。
これは塗膜、変色、褐色などについて保証がつくというものですが、「保証対象地域」が設定されています。
この対象となっている地域は「沖縄県および離島を除く日本国内」となっているため、沖縄や離島では品質保証がつかないという注意点があります。

費用はやや高め

横暖ルーフは素材がガルバリウム鋼板であるだけでなく遮熱鋼板、フッ素樹脂遮熱塗装、断熱材などが使用されているため、どうしても費用が高めに設定されています。
ただ、耐久性が高く、耐用年数も長く設定されているためコストパフォーマンスを考えれば高いとは言えないとも考えられます。

まとめ

ニチハ株式会社の「横暖ルーフシリーズ」は安定した人気を誇っている屋根材です。
耐久性が高く、断熱性や耐候性にも優れている金属屋根であり、軽量であるということもあってますます利用が増えている製品となっています。
特に軽くて丈夫というのは耐震性を考えた場合に非常に適した屋根材だと言えます。
耐震工事で葺き替えを考えている場合はぜひ横暖ルーフの使用を考えてみましょう。

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