屋根の豆知識

横暖ルーフとはどんな屋根材?気になる性能について解説

屋根材の中には「瓦屋根」「スレート屋根」「金属屋根」など素材によっての違いがありますが、同じ金属屋根の中にも数多くの製品が提供されています。
ここではそうした金属屋根の製品の中でも特に人気の高い「横暖ルーフ」のシリーズの特徴について紹介していきたいと思います。

横暖ルーフシリーズの概要について

建築業界で使用される屋根材も日進月歩で進化しており、次々に性能が高い屋根材が製造販売されています。
そうした屋根材たちの中でも安定して人気となっているのが「横暖ルーフ」のシリーズです。
ここではまず横暖ルーフシリーズという屋根材がどのようなものなのかという概要について述べます。

横暖ルーフシリーズとはどういった屋根材なのか

横暖ルーフは大手建材メーカーであるニチハ株式会社の金属屋根材を取り扱っている部門である「センタールーフ」が製造販売している「ガルバリウム鋼板製断熱材付き金属屋根材」を指しています。
センタールーフという部門は横暖ルーフに関する製品しか販売していないということもあって横暖ルーフ専門の部門だとも言えます。
断熱性、耐候性に優れているという長所があるだけでなく、金属屋根としては珍しく耐用年数が40~50年前後と非常に長いことも特徴的です。
さらに長期保証が付いているのでトラブルが起きた際にも安心です。
ガルバリウム鋼板製の屋根材ですので、陶器瓦と比べると重量が1/10ほどしかなく、葺き替え工事の際には大幅な屋根の軽量化が期待できますし、カバー工法を行うのにも適していると言えます。
ニチハ株式会社 公式HP

断熱材付き金属屋根材とは何なのか

横暖ルーフシリーズは素材がガルバリウム鋼板で構成されている金属屋根です。
ガルバリウム鋼板は「軽い」「耐久性が高い」などのメリットがあることで屋根材や板金などさまざまな場所で使用されている人気の素材ですが、あくまでも金属ですので「断熱性が低い」「熱伝導率が高い」「屋根に雨が当たると音が響いてうるさい」といった欠点もあります。
ただ、こちらの横暖ルーフはそういった金属屋根のの欠点を補うように屋根の裏側に「断熱材」が備えられた断熱材一体型の屋根材なのです。
一体型というのは、ガルバリウム鋼板製の屋根材の裏側の面に断熱材が貼ってあり、断熱材をまとめて扱えるようになっている製品ということです。
屋根材の裏側に断熱材が備え付けられていることで金属屋根のデメリットとなっていた断熱性の低さをフォローできるようになっています。
また、断熱材が音を吸収する効果を持っているために雨音に対してもわずかですが緩和できるようになっています。

横暖ルーフシリーズの製品紹介とその性能について

2024年11月現在、横暖ルーフは6種類の製品が販売されています。
それぞれに長所が違っており、特徴があるために自分の好みや希望、周囲の環境や建物の雰囲気に合わせた上で選んでいくことが重要だと言えます。
ここではそれらのシリーズ製品を順に紹介していきます。

横暖ルーフS

この横暖ルーフSはセンタールーフのエントリーモデルとなっている主力製品です。
遮断鋼板と断熱材を一体化させている屋根材であり、その屋根材の厚さは最大で12mmあるほど分厚くなっています。
屋根材の表面は塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)がなされていることで、基本的な耐久性も他の屋根材と比べても高いものとなっています。
カラーバリエーションは「ブラック」「ブラウン」「グリーン」の3色が用意されています。

横暖ルーフ プレミアムS

こちらの製品「横暖ルーフ プレミアムS」はフッ素樹脂遮熱鋼板と呼ばれる素材で製造されている屋根材です。
フッ素樹脂遮熱鋼板の製造についてはまずフッ素樹脂塗料に遮熱顔料を加えた上で鋼板に焼き付けて完成している屋根材です。
使用する塗料に遮熱顔料を加えて表面に塗装をすることによってさらに断熱性と耐候性を高める効果が期待できます。
長期保証がついているというのも特徴となっており、屋根材の塗膜不良、変色、褐色については20年保証が付いているということで安心して利用していくことができます。
こちらも壁材の分厚さが最大12mmの厚さとなっており、それでいてシンプルでスタイリッシュなデザインとなっています。
表面は塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)の塗装が為されています。
カラーバリエーションは「ブラック」「ブラウン」「グリーン」の3色となっています。

横暖ルーフα S

横暖ルーフα Sという製品はこのシリーズのミドルモデルの製品となっています。
遮熱機能付きシリコン塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)が採用されており、シリーズでも最大の分厚さである17mmという厚みによって屋根材が持つ重厚感が圧倒的な製品となっています。
屋根材のジョイント部分の構造が特殊な形状となっていることで気密性を高めた構造となっており、室内への遮熱・断熱効果が高くなっています。
屋根の気密性が高まれば室内の温度をある程度一定に保つことが可能となります。
カラーバリエーションは「ブラック」「ブラウン」「グリーン」「ギングロ」の4色展開となっています。

横暖ルーフα プレミアムS

こちらは横暖ルーフシリーズの製品の中でもハイエンドモデルとされている高級屋根材です。
フッ素樹脂遮熱鋼板(溶融2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできており、こちらも分厚い屋根材となっており最大17mmという厚みとなっています。
こちらの製品にも塗膜、変色、褐色の20年長期保証が付いており、数あるシリーズの中でも最高性能を誇る屋根材となっています。
カラーバリエーションは「ブラック」「ブラウン」「グリーン」の3色となっています。

横暖ルーフα S 窯変

こちらは2023年に新しく追加された製品です。
塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできている鋼板となっています。
こちらはデザインが特徴的であり鮮やかなグラデーションの色合いでヨーロッパスタイルの屋根材となっており、これまでには見ることのなかった目立つデザインの金属屋根となっています。
特に洋風の建物の屋根にも合いやすいデザインと言えます。

横暖ルーフS 1820

他の横暖ルーフシリーズの製品はそれぞれ長さが10尺(約3030mm)という長さになっているのですが、こちらの製品はその名前の通りに長さが6尺(約1820mm)と短めのサイズとなっています。
塗装高耐食GLめっき鋼板(溶融2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板)でできており、短い屋根材ということで屋根の形状が複雑な場合などでも使いやすくなっているために扱いやすさが向上しています。

横暖ルーフシリーズの製品のデメリット、注意点とは

それぞれの製品で断熱性が高い、耐久性が高いといったメリットがある横暖ルーフシリーズですが、利用する場合にはいくつかのデメリットや注意点もあります。
ここではそういったデメリットや注意点について述べていきます。

傷がつく、凹むといったことはある

横暖ルーフは素材となる金属板に焼付塗装がなされている屋根材ですので、日差しや雨にも強いという高い耐久性を誇っています。
しかし耐久性が高いものの、あくまでも薄い金属板の屋根材であることには違いありませんので「衝撃」には弱いというのは避けることができません。
屋根材の上で作業中に道具などを何か落としたり、強風の際に飛来物が屋根材に当たったりした時には傷がついたり、凹んでしまったりすることがあります。
屋根材の表面に傷がついてしまうと、その傷部分から雨水が浸入して屋根材に浸透してしまい腐食が進む、錆びてしまうということもありますので、衝撃や傷には十分に注意が必要です。

屋根の勾配によっては使用できないことがある

この横暖ルーフのシリーズはどういった屋根でも無条件で使用できるというわけではなく、使用できる屋根とできない屋根とがあります。
関係しているのは傾斜です。
横暖ルーフが利用できる条件としては屋根の傾斜角度、つまり屋根の勾配が「2.5寸勾配以上」あるということが条件となっており、傾斜がない場合には使用することができません。
勾配とは屋根についている傾斜角度のことであり、この角度が急であるほど屋根に降った雨水は勢いよく軒に向かって流れていくこととなります。
逆に傾斜角度が緩やかであれば降った雨水が流れていきにくいために屋根の上に水が長く溜まりやすくなります。
屋根材を屋根に設置していく際の葺き方には「縦葺き」と「横葺き」という2種類の葺き方があります。
軒に対して「垂直」つまり縦向きに設置していくか、「水平」つまり横向きに設置するかという違いがあります。
屋根材が縦向きの方が途中でつなぎ目がないために、屋根材の上をまっすぐ雨水が流れていくということで屋根に水が残りにくく防水性が高くなります。
しかし、横暖ルーフは「横葺き」で使用する屋根材ですので、水平方向、横向きにつなぎ目ができてしまいます。
そのため勾配があまりにも緩やかだと水がしっかりと流れていかないために防水性能が落ちてしまうのです。
そういった理由で使用する際には「2.5寸勾配以上ある」ということが条件となるのです。
屋根の傾斜があまりないという屋根の場合は他の製品、特に縦葺きの屋根材を選んでいくことをおすすめします。

まとめ

ニチハ株式会社の「横暖ルーフシリーズ」は安定した人気を誇っている屋根材です。
耐久性が高く、断熱性や耐候性にも優れている金属屋根であり、軽量であるということもあってますます利用が増えている製品となっています。
特に軽くて丈夫というのは耐震性を考えた場合に非常に適した屋根材だと言えます。
耐震工事で葺き替えを考えている場合はぜひ横暖ルーフの使用を考えてみましょう。
ウェルスチールにて行った横暖カバーへの屋根修理も是非、一度ご覧ください。

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