屋根の豆知識

瓦屋根からの雨漏りは何が原因?主な症状をご紹介します。

瓦屋根は日本で昔から多く使われてきた屋根材です。
近年はスレート屋根や金属屋根が増えてきていますが、昔ながらの住宅や神社仏閣などではまだまだ使われています。
瓦屋根は耐久性も高く、耐用年数が長い屋根材ですが、まったく雨漏りが起こらないというわけではありません。
そこでここでは瓦屋根から雨漏りが発生するのはどういった原因なのか、その症状や対策などについて紹介していきたいと思います。

どういった理由で瓦屋根から雨漏りが起きるのか

 

瓦屋根から雨漏りがするといった場合であっても色々な理由によって雨漏りが起きます。
軽微なものから修復が難しいレベルのものまでありますので、まずは原因をはっきりさせるということが大切だと言えます。

瓦自体が壊れている、欠けている、ズレている

瓦はスレート屋根や金属屋根といった他の素材の屋根材と比較すると耐用年数が長く設定されている屋根材です。
ただ、絶対に瓦が壊れないというわけではありません。
強風の際に何か飛来物があればそれが瓦に当たった時に割れてしまうということもあるかもしれませんし、瓦がズレてしまうということだってあります。
こうして瓦が割れたりズレてしまうということによって瓦の下側に設置されている葺き土やルーフィングに雨水が当たってしまう、濡れてしまう、浸み込んでしまうということがあるのです。
瓦の屋根材だけの破損ではなく、下側に配置されている葺き土やルーフィングまでが水に濡れてダメになっていくとその部分まで補修する工事が必要となってしまいます。
瓦だけなら部分的な補修ができるのですが、下地までが傷んでいってしまうと葺き替えなどの大規模な工事が必要となってきますので手間や時間も多くかかることとなります。
できるだけ速い対処がポイントと言えます。

ルーフィングが傷んでいる、劣化している、破れている

昔ながらの瓦屋根は下地の上にそのまま土を葺いて瓦を設置するという感じでした。
ただ、1980年を過ぎたあたりからは瓦屋根を設置する際も下地材としてルーフィングを敷くことが一般的になってきました。
ルーフィングを敷いた下地に木材を水平方向になるように打ち付けていって、その木材に瓦のツメ部分をひっかけて固定するという工法が増えてきたのです。
このルーフィングが正しく機能していれば、瓦屋根を雨水が通過してきたとしてもルーフィングで防がれることとなりますが、ルーフィングが傷んでいる、劣化している、破れているとそこで雨水を止めることができずに雨漏りへとつながっていくことになります。
ルーフィングにもいくつかの素材による違いがありますが、普通に使用しているとたいていは10~20年ほどで劣化していくこととなります。
ただ、ルーフィングなどの下地部分は設置されている場所が屋根材の下側ということもあって外側からは直接見ることができません。
点検する場合には屋根材を剥がした上でチェックしなければいけないのです。
また、そうして下地を点検して交換するような時期になっているということは屋根材や板金といった他の部材についても劣化や破損しているという可能性が出てきます。
このようなタイミングであれば全面的な大規模補修工事を計画していってもよいのかもしれません。

漆喰が剥がれている、劣化している

瓦屋根では棟と瓦と隙間部分に漆喰を詰めることで安定しています。
ただ、漆喰については瓦本体よりも耐用年数が短く、瓦よりも先に劣化してきてしまいます。
漆喰が剥がれてくることによって漆喰の置く側にある葺き土にまで水が浸み込んでいってしまい、土が流出することによって安定感がなくなり棟ごとが崩れてしまうということもあります。
棟が崩れてしまうと棟瓦のつみ直しなどをしなければいけないような状態だと言えます。
棟と瓦のつなぎ目部分の漆喰に剥がれや劣化が見られたら、できるだけ早い段階で劣化している漆喰を撤去した上で新しい漆喰を詰め直すようにしましょう。
漆喰が劣化していく理由にも色々とあります。
まず漆喰が設置されている屋根は太陽光や雨風といった厳しい環境に常におかれることとなっています。
紫外線をずっと受け続けることによって漆喰はどんどん乾燥してしまいます。
漆喰は経年劣化によっても乾燥していきますが、それが加速することとなるのです。
漆喰が乾燥するとボロボロと崩れてくる可能性や、雨風を受けていることで漆喰が傷んでしまうことがあります。
このように長期間にわたって屋根の上で自然のダメージを受けていくことで漆喰が傷んでいくのです。

また、金属ほどではありませんが漆喰は昼の暑い時間帯や夏の気温が高い時に高温になることによって熱膨張がわずかに起こります。
そして夜になって気温が低下する、冬の寒い時期になるというように温度が下がることで収縮していきます。
こうして漆喰が膨張と収縮を何度も繰り返すことによって、隙間ができたり安定感が低下することによって瓦を固定している固定力がどんどん弱まるのです。

葺き土の流出

昔からの土葺き工法を使用している場合の屋根は瓦を屋根の上で固定する方法として大量の土が使用されています。
この葺き土が瓦と屋根の接着をしているということになるのですが、経年劣化によって少しずつ土が流出してしまうこともありますし、劣化したところに大雨が降ったりすることで葺き土が水を吸収してそのまま流れ出てしまうということもあります。
葺き土の流出、浸食が発見されたら設置している瓦をすべて外したうえで古い葺き土をすべて撤去し、下地も新しいものに交換したり補修したりした上で新しく葺き土を敷いていくのですが、最近は葺き土を使わずにルーフィングを使用して、瓦を設置していくという工法が使われることが多くなっています。
これは葺き土を使うと屋根自体が重くなってしまうということが関係しています。
地震などの際の被害を抑えるために屋根を軽量化するためにも葺き土を使わないという工法が一般的になってきているのです。

瓦屋根からの雨漏りがひどい場合の対処法について

瓦屋根からどういった理由によっても雨漏りがすでに起きている場合は当然放置していては被害がどんどん大きくなるだけとなります。
雨漏りがすでに起きているということは何か問題が起きているのは間違いありませんので、早く対応しなければいけないのです。
特に瓦が壊れたりズレたりしていることによって隙間が生まれている場合には直接雨水が屋根の内部、室内へと水が入り込んでいきますので危険なのです。
こうした隙間から直接水が屋根の内部に浸入してしまうと、ルーフィングに水が当たり続けてダメージが大きくなるため劣化も早くなっていきます。
ルーフィングが劣化すると下地から補修工事を行うような大規模補修となってきますので高額の補修費用が必要となってくるのです。
そこでここでは瓦屋根を使用している屋根で雨漏りがひどい状態になっている場合の対処法について述べていきます。

瓦がズレてしまっている場合は正しい位置に瓦を戻して固定する

瓦が壊れたのではなく強風や地震といった理由で単純に元の位置から瓦が少しズレてしまっただけであれば、瓦を元の正常な位置に戻して適切に設置して固定していけば補修ができるということになります。
ただ、その方法ができるのは瓦自体が壊れたり欠けたりしていない、劣化がまだ進んでいないということが条件となります。
さらにこの方法を行う時には瓦を元の位置にただ戻したというだけではいけません。
その下側に設置されているルーフィングや野地板などの下地部分が激しく劣化している場合は雨漏りは解消されません。
瓦を元の位置に戻すだけではなく、瓦を外した状態でルーフィングや野地板を点検して下地部分に何も問題がなければ瓦を適切に設置していくというのが正しい方法となります。

瓦を新しい瓦へと交換する

台風、大雨、強風などが起きた場合に飛来物が瓦に当たることで1枚だけ欠けたり割れてしまった、ということがあった場合は、その壊れた瓦1枚を新しい瓦へと交換するという部分交換、部分補修が可能です。
ただ修理業者によっては瓦1枚だけの交換は対応していない、受け付けていないというようなこともありますので、瓦一枚だけの部分的な交換工事に対応してくれる業者を探す必要があります。
工事内容を相談して依頼を受けてもらえるかどうかを事前に確認しておきましょう。

葺き替え工事、カバー工法を行う

瓦屋根からの雨漏りが特にひどいという場合は、屋根の上で瓦屋根、漆喰、下地部分のどこかの部分で何か大きなトラブルが起きている可能性があります。
もしかすると複数の場所でトラブルが起きているかもしれません。
こうした大きなトラブルがすでに起きているという場合は部分的な補修だけではなく、屋根の全面的な葺き替え工事やカバー工法といった大規模工事を行う必要があります。
瓦屋根を全面的に新しい屋根材に変える葺き替え工事をするという場合には、また瓦屋根を使用するのか、スレート屋根や金属屋根といった別の素材の屋根材に変えることができます。

まとめ

瓦屋根から雨漏りが発生している場合は瓦本体の劣化や破損、漆喰の劣化などが考えられます。
それぞれに対策は違っていますが、瓦本体は耐用年数が長いために多くは漆喰やコーキングの劣化である可能性が高くなっています。
瓦本体が劣化していなかったとしても、漆喰などを中心に定期的にメンテナンスを行うことが重要だと言えるでしょう。

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